環境に優しい農業を県内に普及させるため岩手県雫石町で11日、有機農業のノウハウを伝える指導員を養成する研修会が開かれました。

この研修会は県が主催したもので、県内の農家や自治体の職員などが参加しました。有機農業は化学肥料や農薬を用いない農業形態のことでオーガニック農法とも呼ばれています。日本農林規格=JASの認める県内の有機ほ場の面積は去年時点で149.5ヘクタールで、県全体の畑や水田のわずか0.1%です。国は2050年までにこの面積を国全体で25%に拡大することを掲げています。

(JAS登録認証機関ASAC 岩泉好和 事務局長)
「一般のコメは化学肥料や農薬を使っている。10キロの化学肥料を作るために重油を何トンというように環境を汚染するものが使われる。それを有機に変えるだけでCO2をものすごく削減できるメリットがある。」

参加者は有機農業を実践する滝沢藤七さんの稲作現場で栽培のノウハウを学びました。滝沢さんが有機米の栽培を始めたのは2009年で、収量が安定してきたのはここ2、3年だといいます。

(滝沢藤七さん)
「薬を使わない。肥料を使わないから大変なところもあるけど楽なところもある。全部やらなくてもいい、少しずつ増やしていく。増えていくことが経済的にも体にも負担が少なくて良い。」

有機農業の拡大の取り組む県は、今月末にも盛岡市で研修会の実施を予定しています。