岡山市内の公共交通を支えるバス会社のトップ2人が、路面電車に揺られながら本音で語り合いました。普段はライバル会社同士ですが、互いに「市民のために取り組もう」と、改めてその思いを共有しました。

「お互い考えは違うけれど、お互い尊敬できる。認め合って手をつないでいければいいのかなと」

先週末、岡山市中心部を走る路面電車で運行された特別列車。その名も「ビアガー電」です。

「カンパーイ」

ビールを手に談笑するのは、岡電バスなどを運行する岡山電気軌道の小嶋光信社長、そして、宇野バスを運行する宇野自動車の宇野泰正社長です。

(宇野自動車 宇野泰正社長)「多額の負担をかけないで移動を容易にさせるかというのは大事なこと」

それぞれ、岡山市内で公共交通機関としての役割を担っていますが、一方で、一部の路線では競合するライバル会社でもあります。

(岡山電気軌道 小嶋光信社長)「競争から協調へということで、エリア一括協定でやりたい。次の時代に受け継いで行きたい」

両者をはじめとした、岡山市内を走るバス会社では、市が開催する協議会を通じて、これまでに、路線の再編や運賃の適正化など持続可能な公共交通の在り方について議論を続けています。今回は、路面電車に乗って、岡山の公共交通についてトップが語り合う。この場が実現した気になる背景は…

(宇野自動車 宇野泰正社長)「僕が誘いました。交流をしたいなと僕は思っていて」

(岡山電気軌道 小嶋光信社長)「仕事と仕事、人間関係ではお互い認め合っているから、それでいいの」

(宇野自動車 宇野泰正社長)「力を合わせて、岡山のバスが上手くいったら、これに越したことはない。」

約2時間のひと時。窓から見える岡山の街並みを背に2人は故郷の公共共通の未来について意見を交わしました。

(宇野自動車 宇野泰正社長)「岡山モデルを作らないといけないですね。岡山モデル作りましょう」

(岡山電気軌道 小嶋光信社長)「お互いに切磋琢磨しながらも、市民の皆さまによりよいサービスをしていく、その気持ちは一緒だから、自分の思いを語りながら最後はみんな一つに固まっていく、これが一番大事なことだね」

【スタジオ】キーマンが語った「岡山モデル」。持続可能な公共交通の礎が完成し、「岡山モデル」として全国に波及していくことに期待します。