九谷焼に緻密な文様を描いた作品の展示販売会が、長野市の百貨店で開かれています。
会場で行われた実演で、細かく描かれていく文様。

九谷焼の「赤絵細描(あかえ・さいびょう)」と呼ばれる技法で、1ミリの幅に3本の線が描けるほどの細さです。
手がけるのは、上絵付師(うわえつけし)の米久和彦(こめきゅう・かずひこ)さん。
米久和彦さん:
「ゆっくり筆を動かしてしまうと絵の具がどんどん流れちゃう。溜まったり線が太くなったり、不具合が出てくるので、なるべくリズムよく描いていくことが大事」
絵付けをしたら一度焼く。
色を変える度にこれを繰り返し、およそ2か月かけて仕上げます。
ながの東急百貨店で開かれている米久さんの作品展では、花瓶や香炉などおよそ100点が展示されています。


今回のために描いた飾り香炉には、長野をイメージしたブドウのほか、4種類の緻密な小紋が描かれています。
絵の具の成分の関係で、細く描けるのは赤色のみとされてきましたが、米久さんは、独自の配合により、青や緑、黒色の使用も実現しました。

米久和彦さん:
「どこまでも細かく描くことが出来るというのが一番の特徴だし、自分が目指すところでもあるし、見ていただきたいところ。『こんなところにも書いてある』と思っていただければ嬉しい」
作品展は、9月12日まで開かれています。














