ガソリン価格の高騰が続いています。7月に入ってからの岩手県内のレギュラーガソリンの価格の推移を見ると、160円台だったものが先週は遂に15年ぶりに180円台に突入し、4日時点の価格も181.1円となりました。
値上がり幅が縮まっていると言ってもガソリン価格の高騰は家計や県内企業に影響を与えています。
盛岡市内のガソリンスタンドです。この店舗での6日のレギュラーガソリンは1リットルあたり173円。利用客に話を聞くと・・・
(利用客)
「25リットルで4316円。(値上がりを感じますか?)うん、感じるけど今は仕方がないんじゃないの。年金暮らしなんだけどその分少し出歩くのを控えて。食材などの日常生活のものを買い出しに出るくらいで」
「高いですよね。すごい高いなと思っています。でも生活に必要なので、どうしても車が無いと岩手では厳しいですもんね」
価格の高騰にガソリンを売る側も買う側も様々な工夫を凝らしています。こちらの利用客は隣接した整備工場で車検を受けたことによる割引特典を活用していました。
(利用客)
「(特典が)無かったらしょうがないね、あんまり出歩かないようにするかだね。必要なこと以外に車を使わないようにする、それしかないと思うよ。それとあとは電気自動車に変えていく。EVに」
こちらのスタンドでは他にも専用アプリのダウンロードやライン登録による割引特典を設け利用客の囲い込みを図っています。
燃料価格の高騰は運送業界も直撃しています。210台のトラックを持つ花巻市のこちらの運送会社は、冷蔵や冷凍の食品の取り扱いが多く、片時もエンジンを切ることができないため燃料高騰の影響は深刻です。
(岩手雪運 高橋嘉信 会長)
「先が見えないという不安ですよね。これが燃料が上がっても、あと2か月後には静まりますとなれば、まだ事業の展開、やり方はあるんだけど、先が見えないというのはすごい不安ですよね」
政府は6日、石油元売り会社に支給する補助金額を、現時点の1リットルあたり9円70銭から増額し、7日から17円40銭にすると発表しました。
石油情報センターによりますと、このことで来週はガソリン価格は値下がりに転ずるとみています。
(高橋会長)
「大変これに関しては感謝しています。ただ、この先のことを考えるとジャブジャブ補助金を入れ続けるのは無理だと思うんです。この次をどうするかに興味があります」
高橋会長がさらに期待するのは震災復興を理由に凍結されているトリガー条項による減税です。
トリガー条項とはガソリン価格が3か月連続して160円を超えた際にガソリン税の上乗せ分の課税をやめて減税する仕組みです。
(高橋会長)
「先々のことを考えたときに、せっかく法律があるわけですから、我々事業者にとっては一定の方向付けができれば安心して事業活動に専念できると思います」
県や県内の一部の市町村では燃料価格高騰の影響を緩和するため運輸事業者に対する支援制度も設けていますが、効果が表れるには時間がかかる見込みです。一般消費者も事業者も求めているのは、即効性のある対策と先の見える安心です。