新規感染者の3割がオミクロン株派生型「エリス」
山本恵里伽キャスター:
新型コロナの感染拡大の要因の一つとされているのが、新たなオミクロン株の派生型「エリス」の存在なんです。東京都の最新の解析結果によりますと、東京都の都内の新規感染者の中で、エリスの割合が最も多く約31.3%、3割を占めているんです。

このエリスは、日本だけではなく、世界51か国でも感染が報告されていまして、WHOも警戒レベルを引き上げているんです。
感染症に詳しい国際医療福祉大学の松本哲哉 主任教授によりますと、症状や、重症化率というのは、これまでとほぼ変わらないそうです。ただ、感染力が強いと見られるので、重症患者が増える可能性が高いとしています。

こうした中、20日からは国内で、オミクロン株の「XBB1.5」系統に対応したワクチン接種が始まる予定となっています。ファイザー社は、初期の臨床試験で、このワクチンがエリスにも有効性を示したとしています。
小川彩佳キャスター:
また感染者増えてきたなという実感を覚えてる方もいらっしゃるのではないかと思うんですけれども、このエリスが、再び猛威を振るうことになる可能性は?
慶應義塾大学 宮田裕章 教授:
アメリカでは、高齢者福祉施設で亡くなる人が多いという報告もある。ただ、この変異株が、現時点で状況を大きく変える可能性は低いと思います。国民全員が警戒して、移動制限というような状況には、まだなっていないのかなというふうに考えてます。
抗体自体が変化して、社会全体で抗体を持っていない人の割合が高くなって、感染者が増減していくというのは、今後も続いていくんですが、ただ、これが、いわゆる“社会全体の命を守る力”に影響を及ぼしてるかどうか。つまり、重症化病床が埋まっているとか、あるいは、定点観測で感染者数が増えているとか、そういったことに注意しながら、状況を見ていく必要があるのかなというふうに思いますね。