Q.その2人をはじめ、攻撃力のある選手が契約を継続した
A.#4ユージーン・フェルプス選手は在籍も長く(愛媛4年目)、まさしく愛媛の大黒柱。さらには、アウトサイドに出てもよし、インサイドで体を張るのもよしと万能な#7坂田央選手。シューターとして秀逸な#17飛田浩明選手。選手同士の潤滑油としての役割ができる#8八幡圭祐選手と信頼できる選手が残ってくれた。
Q.新戦力を見ていくと日本人登録のフォワード、ビッグマンを多く獲得した
A.去年の愛媛は日本人でインサイドの選手がいなかった。愛媛でプレーオフを目指す時に、スタイルとして新戦力の#1タッカー・ヘイモンド選手(←B3三重)がアウトサイドにいるということは他のチームとの違いになる。B2は外国籍選手をインサイドに置くチームが多い。そうなるとアウトサイドに日本人だけが固まってしまう。去年の愛媛もそう。そこでBリーグのトレンドでもある、ボールをハンドルできる外国籍選手が欲しかったのでそういう構造は意識した。

Q.そのタッカー・ヘイモンド選手は昨季B3リーグで得点王。攻撃力に期待がかかる
A.マッチアップするのは日本人が多いので、フィジカルの違いを出してほしい。ガードとしてポストアップもできるし、ピック&ロールさせてもいいし、シューターになってもいい。さらに外から体で中まで入ってレイアップもできる。いろんな組み合わせ、いろんな顔を見せられる選手。チームとしても得点パターンが一気に広がる。
Q.ヘイモンド選手で強みを出そうとすると日本人が担うインサイドが重要になる。新戦力選手各々の印象は
A.まず帰化選手登録の#11バローンマーテル選手(←3x3 MINAKAMI TOWN.EXE)は映像を見たときにミドルレンジからのワンドリブルで得点するパターンが強力だった。これは#4ユージーン・フェルプス選手が得意なプレー。フェルプス選手は愛媛に在籍が長く、他の選手、例えばピック&ロールをする#3古野拓巳選手は彼の使い方を分かっている。それをマーテル選手に当てはめることができて、マーテル選手にとっても自分の得意なパターンで得点でき、周りを活かしてプレーできるので愛媛にフィットすると考えた。#15本多青選手(←B2福島)はとにかくアスレティック。あの体格(193cm)でダンクができるのは、日本では指折りで才能あふれる選手。ただ、まだ若いので勉強も必要。日本人のビッグマンはプレータイムを得られずにシーズンを棒に振るケースがあるので、とにかく1試合でも多く出場させる機会を与えたいと思う。たとえ10秒でも次に活かせるようなプレーに期待したい。#9長谷川凌選手(←B3横浜EX)はベテランとしての経験をこのチームで出してほしい。マーテル選手は初のBリーグ、本多選手は若い。長谷川選手の背中を見て学んでもらいたい。試合ではベテランとしての安定感を出してほしい。なんといっても全員ディフェンスで体を張れる。長い目線で見てうまく使っていきたい。
Q.インサイドの要としても期待されるのが#31ジャバリ・ナルシス選手(←ドイツリーグ)。初のBリーグ挑戦となる。
A.跳躍力があり、走れる選手。そして何よりインサイドの選手でありながらシュートレンジが広く外からシュートを打てる。それによりペイント内のスペースを広げてくれる役目も彼は担ってくれる。加えてウイングスパンが長く、ピック&ロールへのディフェンスやゾーンディフェンスのバリエーションも増やすことができる。編成で身長が高いのはナルシス選手だけ(206cm)。フェルプス選手も198cmとそこまで高くはないので、全員がフルコートでディフェンスをして高い位置からプレッシャーをかけたい。24秒かけてリングからボールを遠ざけていくことを常々やっていく。相手のミスを誘発してそこから走って得点するバスケットができると思う。それをしないと今のB2では勝利に導けない。
Q.ガード陣に目をやると純粋なポイントガードが2人。新戦力の#0奥田雄伍選手(←B3金沢)は去年B3で高スタッツを残した。
A.確かに純粋なポイントガードは2人。ただ「ハンドラー」というボールを運ぶことができるという観点で見たときに僕の中ではヘイモンド選手と#51金本一真選手(←B1滋賀)も含まれる。愛媛には古野選手という絶対的な司令塔がいる中で、奥田選手は古野選手がもっていない圧倒的なスピードを持っている。そのスピード感でリズムを変えてくれる。縦の得点が欲しいときや、なかなかペイントにボールが入らない時の切り込み、ディフェンスでは前からバチバチにフルコートでプレッシャーをかけていける。