証拠として動画が法廷で上映されると、それを見た被告はすすり泣いていました。

被告人質問で、牛に暴力をふるったのはなぜかと問われた被告は、「これまでも腕を牛に蹴られたことはあり我慢できた。でもこの時は左の胸辺りを牛に蹴られ、強く胸に当たって相当痛く我慢の限界だった。いらいらして何も考えず、動画を投稿してしまった」などと答えました。

しかし次の日にいろいろな言葉で批判のメッセージが来たことから、「重大なことをしてしまったと後悔した。牛の様子を見に行って、牛がちゃんとご飯食べているのを見て牛に謝った」などと話すと、日本語で「皆さん本当に申し訳ございませんでした」と言い、裁判官に向かって土下座しました。

被告は、フィリピンにいる妻子のほか、両親と兄弟の家族11人の生活を支えるために日本に働きに来て、収入のほとんどを仕送りに当てていたということです。

検察は無抵抗の牛に執拗に攻撃し、犯行態様は悪質で冷酷残忍などとして罰金20万円を求刑。弁護側は、解雇など社会的制裁を受けているなどとして執行猶予付きの判決を求め即日結審しました。

判決は22日に言い渡されます。