国内トップクラスの合計特殊出生率から「奇跡の町」ともいわれる岡山県奈義町で、9月から「定額制で紙おむつが自由に使えるサブスクリプション」が始まりました。おむつのサブスクとはどのような仕組みなのか。さっそく取材しました。

「これがサブスクリプションで使われる、『ミラフィール』という紙おむつになります」

岡山県奈義町の奈義保育園で、9月1日から利用が始まったサービス「ミラフィールビズ」。月額2400円ほどで、登園中の子どもの紙おむつとおしりふきが使い放題になる「おむつのサブスクリプション」です。岡山の公立保育園では初めての導入となりました。

(奈義町保健相談センター こども・長寿課 小坂昌平副参事)
「共働きの世帯も増えてきております。家庭での登園準備にかかる負担、家事育児にかかる負担の軽減に少しでも寄与できれば」

10月末までの2か月間は無料お試し期間となっていて、現在、紙おむつを使用するすべての園児がサブスクに加入しています。これまでは保護者が一枚一枚名前を記入したおむつを、一日8枚持参し専用のロッカーで保管していたといいますが、サブスクの利用でその負担が無くなります。

(おむつのサブスクを利用する保護者)
「足りないのを把握するのは毎回はできないので、園で用意してくれると助かる」「買いに行く頻度も減るし、荷物になるのでその分は楽」

メリットを感じているのは、保護者だけではありません。

(保育士 中田生美さん)
「持ってくるのを忘れたり、たくさん使って足りなくなったりしたら保育園のおむつを有料で使わせてもらっていましたが、サブスクになるとそれが無くなる」

少しでも濡れると嫌がる園児もいるため、おむつが自由に使えることで世話も楽になるといいます。

さらにサブスクの導入が決まったことで、きょう(4日)奈義町とサービスを提供する東京の会社との間で、災害支援協定も結ばれました。これにより、園にストックされた紙おむつの在庫が災害時、必要とするあらゆる世帯へ無償提供されるといいます。

(奈義町 奥正親町長)
「奈義町にはドラッグストアがありませんので、子どものおむつなどの手配が難しいと聞いています。応援をしてくださるのは大変ありがたい」

おむつに関する災害支援協定の締結は全国でも初めてで、さらなる出生率向上につながるかもしれません。