中国地方が梅雨入りして、これから1か月ほど梅雨空が続く見込みです。
この梅雨時期、特に注意が必要なのが「線状降水帯」です。佐藤気象予報士に解説してもらいます。

■「線状降水帯」とは?
(佐藤気象予報士)
「線状降水帯は、『活発な積乱雲が列をなして流れ込んで大雨となる』現象です。梅雨末期の豪雨災害はだいたい『線状降水帯』が絡んでいます」
「今シーズンから、その線状降水帯の『予測情報』が発表されるようになりました。」
(杉澤キャスター)
「線状降水帯の『予測情報』ですか」

(佐藤気象予報士)
「そうです。今までは『発生しました』という情報だったのが、予測の段階で情報が出るので、事前に準備ができるというのは大きいと思います。具体的な情報の中身を見てみましょう。」
■線状降水帯の予測情報は「中国地方」「四国地方」単位で発表

「まず地域に関しては『地方単位』の発表となります。つまり、『中国地方』『四国地方』という単位です。」
(杉澤キャスター)
「中国地方・四国地方・・・エリアが広いですね」
(佐藤気象予報士)
「そうですね。現状ではまだ精度に限界があります。2年後には県単位の導入を目指しています。」
■半日~6時間前に出る「予測情報」で事前に安全確保を!

「そして、『予測情報』が発表されるタイミングは、線状降水帯が発生する『半日から6時間前』となります。例えば『夜中』に大雨のおそれがある場合だと『夕方に』発表されるようなイメージです。」
「あまり余裕はないように感じますが、それでも事前に分かれば備えることもできます。今回の情報は百発百中の情報ではありませんが、大雨のリスクが高いことを伝えてくれるという訳です」

「そして情報が出たらハザードマップを確認するなど、安全を確保する準備を速やかにしてほしいと思います。」
■今年の梅雨は注意が必要
(佐藤気象予報士)
「そして今年の梅雨は注意が必要となりそうです。その原因が『ラニーニャ現象』です。ラニーニャ現象は『太平洋東部のペルー沖の海水温が低くなる現象』で、エルニーニョの逆の現象です」

「『ラニーニャ現象』が起きると大気の流れが普段と変わり、『異常気象』が引き起こされる原因となることもあるんです」

「このラニーニャ現象が発生している年の梅雨は、西日本の太平洋側で、いつもより降水量が多くなる傾向が統計的にわかっています。」

(杉澤キャスター)
「今年の梅雨は、例年の梅雨時期よりも降水量が多くなる危険性がありそうだということなので、雨の情報には充分注意していただきたいと思います。」