“土佐の小京都”に夏の終わりを告げる風物詩、「大文字の送り火」が31日夜、高知県四万十市で行われました。

夕暮れの四万十市間崎地区。「大文字の送り火」は祠がある「十代地山(じゅうだいじやま)」で夏の終わりの行事として地元の住民達に受け継がれています。撮影しようと三脚にカメラを据える男性の姿がありました。

(高知市から)
「ここの出身で故郷を離れて長いもので懐かしんで、故郷の光景を残しておきたいと思って来ています」

毎年、旧暦の7月16日に行うのが習わしで、31日「十代地山」に当番集落の住民が集まりました。

そして午後7時、斜面に並べた薪の束に“大”の字を書く順で火をつけていきます。

「大文字の送り火」は室町時代、この地を治めていた一條房家が父・教房や先祖を供養するため、京の都を懐かしんで始めたとも伝えられています。

炎の大の字が闇夜に浮かび上がり、小京都・中村に夏の終わりを告げました。