今年の秋は一層、クマへの警戒が必要です。新潟県は「人身被害が過去最多だった年と同じような条件が揃っていて、被害の拡大が懸念される」として『クマ出没警戒警報』を3年ぶりに発表しました。

8月30日、見附市の県道で撮影された映像です。ドライブレコーダーが捉えたのは道路を横断するクマでした。
運転していた人は、「犬かと思いよく見たらクマだった」と驚いたそうです。警察によりますと、目撃された場所は民家から30mほどの地点でした。
今年、新潟県内では、すでにクマによる人身被害が出ています。7月、湯沢町の苗場スキー場近くの道路で70代男性がクマに襲われ軽いけがをしました。

こうした中、今秋は人身被害の拡大が懸念されるとして、新潟県は3年ぶりとなる『クマ出没警戒警報』を9月1日付で発表しました。
クマの餌となるブナの実がこの秋は「凶作」と予測されるため、冬眠前のクマが餌を求め人里へ出没する可能性が高いとしています。
さらに、これから調査を行う『ナラの実』なども、猛暑の影響で凶作になっていてもおかしくないというのです。

【県鳥獣被害対策支援センター 葉葺久尚 副所長】
「専門家は『ナラの実、ドングリなども不作になる可能性があるので、より人里にクマが出てくる可能性がある』と話している」

また、ブナの実が豊作であった年の次の年は、出没件数が増加する傾向にあるそうですが、今年は、この条件に該当。死者1人、人身被害21人と過去最多の被害が出た2020年度のような被害が起こる可能性がかなり高いと見込んでいます。

新潟県は「クマがいるところに近づかず、エサとなる生ゴミや不要となった果樹は適切に処分するなど、命を守る行動を」と警戒を呼び掛けています。