香川県の観音寺市議会が揺れています。先週、副議長が突然辞職し、議長の不信任案を提案。全国的にもほとんど例がない「副議長による議長の不信任案」は、きょう(31日)可決され議会はますます混迷を極めています。

観音寺市議会議員を5期務める、大久保隆俊議員です。

去年12月に副議長に就任しましたが、突然8月24日付で辞職しました。

(観音寺市議会 大久保隆俊前副議長)「不信任案を出すときには、副議長が議長席にいなければいけない。それなら私が上がらないといけない。それは矛盾だろう」

(記者)「ー議長に不信任案を出すために副議長をやめた?」
(観音寺市議会 大久保隆俊前副議長)「そうそう。それ一つ」

きょう(31日)初日を迎えた、9月定例市議会です。議員定数は20人ですが、県議への鞍替えなどもあり、16人が出席して開会しました。

(篠原和代 議長)「観音寺市議会定例会を開会します。直ちに本日の会議を開きます」

本会議の最後に、議長不信任案が議題となり篠原議長が議場を退席。副議長を辞職した大久保議員が壇上に上りました。

(大久保隆俊前副議長)
「篠原和代議長に不信任案を提出いたします。あなた(議長)の目線は、ある市民に注がれていました」

不信任案提出のきっかけは、市議会でも行われていた「クールビズ」です。

篠原議長は、ネクタイを外していた3人の議員に対し、ネクタイの着用を求めたというものです。

大久保議員の主張は、「篠原議長がクールビズに反対するある一人の市民の持論を議会に受け入れさせようとしたこと」が問題だというものです。

(大久保隆俊前副議長)「議会の決め事に、第三者が気に入らない気に入らないから、議長にああせいこうせい、これはとんでもないことだと思っている」
ほかの議員からも、篠原議長の姿勢を問う声が出されました。

(大矢一夫議員)
「これは議員としてうんぬんというよりも、一社会人としてどうなのかという問題だと私は思っています」
そして不信任案の採決の結果は…


「賛成多数であります」

不信任案が可決されましたが、法的拘束力はないため辞職するかどうかは、篠原議長の判断に任されることになりました。


(篠原和代議長)
「私が悪くないと思ってはいませんが、ちょっとやりすぎではないかという私の印象です。今回のことは明らかにパワハラなので、そのことを明らかにした上で、また今後のことを考えていきたいと思います」

(大久保隆俊前副議長)
「パワハラとかいろいろ言われておりますけど、やはり自身が判定しなければすべて人のせいに。これはやっぱり議員として私はおかしいと思う。市民の皆さんに報道等見て判断いただいて」

9月7日の議会再開までに議長が辞職しなければ、議員の半数がボイコットするとしていて、先行きが見通せない状態が続きますが、今後、市議会には市民のよりいっそう厳しい目が注がれることになります。