東京電力・福島第一原発で処理水を海に放出して以降、海外から迷惑電話が相次いでいる問題で、福島県内の公共施設だけで、これまでに3200件を超える電話があったことが分かりました。
警察によりますと、迷惑電話は処理水が海に放出された8月24日から始まり、県内全域で確認されています。県によりますと、28日までに59市町村で、合わせて1700件を超える電話があったことが明らかになりました。
このうち、福島市では28日までに、市内の公立学校や文化施設など公共施設で合わせて1029件の電話があったということです。
福島市管財課高田豊一課長
「業務中に多くの件数を受けているので、やはり業務への支障が出ている」
電話は、99%が中国の国番号を示す「86」で始まり、「カク」「ショリスイ」などの言葉が含まれた内容でした。
福島市管財課高田課長
「件数の推移を見ながら、しばらく続くようであれば新たな対応策も検討しないといけないと考えている」
これを受けて、29日夕方、福島市の木幡市長は復興庁に「無差別な嫌がらせや攻撃がなくなるよう外交ルートを通じた働きかけを行うことや、嫌がらせ行為で経済的被害が生じた場合には国が補償する」などの対策をとるよう求めました。
このほか、県庁にも正午までに1500件を超える電話があり、迷惑電話は県内の公共施設だけで、3200件を超えることが分かりました。
こうした事態に、内堀知事は…
内堀知事
「政府が一丸となって、この問題の早期鎮静化に努めていただくよう求めたところであります」
また警察に寄せられた迷惑電話の相談は28日正午までに74件と、全国の都道府県で最も多くなっています。