岡山市の中心部・奉還町商店街で、中高生などを対象におにぎりを安く販売する取り組みが始まりました。
その名も “放課後おにぎり”…学校帰りの生徒に「立ち寄る場所」と「元気」を与えたいというのが狙いです。
■奉還町商店街で「放課後おにぎり」始めました


(SGSG 野村泰介さん)
「急いでると思うけど、よかったら電車の中でもここでも食べていいし。おなか空いている時に寄ってね」


商店街でおにぎりを販売するのは、奉還町を拠点に若者の支援活動をしているSGSGの野村泰介さんです。
「いそいそと早足で帰る高校生の姿が目立ちまして。これから習い事とか、家計のためのアルバイトしないといけないとか・・・いろんな事情があるから早く帰る子がいるんじゃないか思って」
■なぜ高校生が“足早”なのか調査・・・
そして「おにぎり」での支援決めた

授業を終えてすぐに奉還町商店街を通るのには理由があります。
SGSGの調べでは、塾やアルバイト・家庭の事情などのために慌ただしく帰宅している生徒が多いといいます。
そこで「時間に追われる中高生を応援したい」と始まったのが“放課後おにぎり”というわけです。


「ひじきと人参と、あとちょこっと竹輪も入っています。そして胡麻」

毎週金曜日に販売する“放課後おにぎり”には、普段から低価格で食事を提供している食堂や専門学校も協力しています。鮭やひじきなど具だくさんのおにぎりです。
(記者)
「高校生の時に、この取り組みがあったら?」
(活動に協力する専門学校生 宗政柊羽さん)
「喜んで買うと思います。嬉しいですね」
■“1個100円”のおにぎりに込めた思い

おにぎりは1個100円。生徒の懐にも優しい価格に設定したといいます。

(みんな食堂この指とまれ 奥村博子さん)
「喜んでくれるといいですね」



午後4時前に販売を始めると、すぐに帰宅中の高校生が足を止めました。おにぎりを渡しながら、さりげなく声をかけるよう心がけています。生徒たちが相談しやすい雰囲気をつくりたいからです。


(野村さん)
「がんばって。おなか一杯になってアフター5を過ごして下さい」
(記者)「どう? おにぎり」
(買った生徒)
「美味しいです」
「帰って水泳行くんですよこれから」

忙しい放課後、ほんの一瞬でも安心して立ち寄れる場所になれば。100円のおにぎりに込めた思いです。
■安心しておにぎりを買いに立ち寄って


(みんな食堂この指とまれ 奥村博子さん)
「外で中高生がお金を数えたりしてる子がいると、すごく気になる。『ちゃんと食べているんかな』とか『あの子のきょうの晩御飯なのかな』とか気になっていたので。」
「ちょっとしんどい思いをしている子とかが、立ち寄ってもらえる場所になればと思います」
「ありがとうございました」
「じゃあね」
「ごちそうさまです。さようなら」



(SGSG 野村泰介さん)
「地元の学校に通う高校生たちが、気軽にふらっと立ち寄れる場所がいろんな所にできたらなと思っています。ちょっと話をしたり、食べ物を食べて帰ってこられるという空間を何か所も作っていきたい」

『ちょっと寄っておにぎり食べて行こう』そんな風に思ってもらえたら。
今週も“放課後おにぎり”が商店街の一角に並びます。