東京電力福島第一原発の処理水海洋放出開始後、中国では日本の関係機関に嫌がらせが相次いでいます。一方、中国から迷惑電話ではなく、見舞いの連絡が多く入っているという男性が、宮城県亘理町にいます。
太見洋介さん:
「一日、多いときで20件以上は連絡を頂くような形です。心配してくれるというような内容が多い」

以前、中国でおよそ5年間働いていた太見さん。いまは、マリンスポーツを体験する施設を運営しているため、中国に住む昔の同僚からは身を案じるメッセージばかりだといいます。
太見洋介さん:
「福島に近いところで海の仕事をしているので、あまり海水に触れないほうがいいとか、核に汚染された水が水道水で出てくる可能性があるから飲まないほうがいいとか、私の体を気遣ってくれるような内容が多かったりします」

太見さんは「迷惑電話は、中国で処理水が正しく報道されていないことが原因だ」と考えています。
太見洋介さん:
「原発処理水というよりは、核に汚染された水という認識があるようで、正確な情報が伝わっていないと思います。(放出による亀裂は)日本に住む中国人も、自分の身の危険を感じていたりするので、双方に何のメリットもない。今の状況は誰も何の恩恵を受けないので、早期解決をしてほしい」

これ以上の風評被害を広げぬよう冷静な対応が求められます。