9日から4日間の日程で行われた陸上の日本選手権(大阪・ヤンマースタジアム長居)。今大会は7月開催の世界陸上オレゴンの代表選考を兼ねており、10名が代表に内定した。最優秀選手には男子走幅跳の橋岡優輝(23・富士通)と女子1500m・5000mの2冠を達成した田中希実(22・豊田自動織機)が選出された。

【大会1日目】

遠藤日向選手

■男子5000m代表内定 遠藤日向(23・住友電工)
今大会世界陸上代表内定第1号となったのは男子5000mの遠藤。すでに5月に参加標準をクリアしていたため、落ち着いたレース運びで13分22秒13、2連覇を果たした。
「3位以内で内定するので気持ちの余裕はありましたが、ディフェンディングチャンピオンとして勝つことも大事だと思っていました。2日前に大阪に入ってからは、去年とは違った緊張感や不安を感じていたので、しっかりと内定を決められたことでホッとしています。世界陸上は出場して終わり、ということにはならないようにしたいです。シニアになってから世界大会は初めて出るのですが、5000mは決勝に進めば日本人初になるので、そこを目標に頑張りたい」

【大会2日目】

田中希実選手

■女子1500m代表内定 田中希実(22・豊田自動織機)
今大会3種目にエントリーの田中がまず参加標準記録を突破していた1500ⅿに挑んだ。持ち味のラストスパートで4分11秒83。3連覇し、今大会1種目目の代表内定を決めた。
「昨日の予選を見ると日本選手も、ラストを身につけてきています。自分を見失ったら、取ってはいけない4番や、それ以下の順位をとってしまうかもしれない、と思っていました。3位以内を取れて、世界陸上に向けて身を入れて練習ができるのは良かったです。昨年は調子が整ったので、東京五輪の準決勝と決勝で800 mを2分8秒で通過しても対応する余力がありました。今後、調子が整っていなくても2分8秒通過に対応できる地力がつけば、世界でも通用します。オレゴンで世界のレースにしっかり乗って走ることができれば、自己新(=日本新、現日本記録は3分59秒19)を出せると思います」


サニブラウン・アブレル・ハキーム選手

■男子100m代表内定 サニブラウン・アブレル・ハキーム(23・タンブルウィードTC)
準決勝を10秒04で走り参加標準記録(10秒05)を突破したサニブラウンは決勝でも10秒08の圧巻の走りを見せ3年ぶりの頂点に立った。
「30mからは全然良かったのですが、世界トップの人たちと走るとき前半で置いていかれたら話しになりません。そういうところをアメリカに帰ってまた、1カ月間研き上げたい。本番に強い自分を取り戻せるように、もう一段階上げていければと思います。今年は3月の初レースから良い形で入って、フォームも練習も模索しながらやってきて、今10秒04まで来たので、とりあえずはまあまあかな、という結果です。ここからタイムも上げて、勝負強さも兼ね備えていけたら。位置付け的には良い大会だったと思います。(世界陸上に向けては)走り自体は悪くないので、あとはメンタル面かな、という感じです」