■第106回日本選手権・最終日(12日 大阪・ヤンマースタジアム長居)

7月の世界陸上オレゴンの代表選考を兼ねた日本選手権は大会最終日が行われ、女子5000m決勝で、田中希実(22・豊田自動織機)が15分05秒61をマークし2大会ぶりの優勝。2大会連続の世界陸上代表に内定した。800m決勝から約70分後のレースでの快挙となった。

日本記録ホルダーの廣中璃梨佳(21・JP日本郵政G)、萩谷楓(21・エディオン)、木村友香(27・資生堂)、佐藤早也伽(28・積水化学)の5人が標準記録(15分10秒00)を突破していた5000m。廣中とともに10000mで世界陸上の代表に内定している五島莉乃(24・資生堂)も加わり、し烈な代表争いとなった。

序盤はスローペースな展開となった。廣中がオープン参加選手の後ろにつきレースが進んだ。中盤に廣中がペースをあげ先頭に立つと、田中、さらに五島が続いた。残り2周となったところで廣中がトレードマークの帽子を取り、スパートの合図。しかし振り切ることができなかった。
ラスト1周を手前にレースが動いた。スッと前に出た田中が驚異のスパート。800mの疲れを感じさせないスピードで後続を突き放し、2大会ぶりの優勝を果たした。今大会5本のレースを走った田中は、ゴール後も表情を変えなかった。

3種目での代表入りを狙っていた田中はこの日800m決勝で2位。約70分のインターバルで5000m決勝に挑んでいた。800mでは参加標準記録を突破することができず代表内定を逃したが、1500mに続き5000mでも代表内定を勝ち取った。

連覇を狙った廣中は終始レースを引っ張り、15分11秒08の2位で10000mに続く2つ目の代表に内定。3位の五島は自己ベストを更新したが参加標準記録を突破できず、代表内定はならなかった。

【陸上・日本選手権 女子5000m決勝】
1位 田中希実(22・豊田自動織機)15分05秒61
2位 廣中璃梨佳(21・JP日本郵政G)15分11秒08
3位 五島莉乃(24・資生堂)15分13秒53 ※自己ベスト