過度なルーティン・完璧主義に生活縛られる毎日「そこに生きてるだけで全然勝ちやから」

牧野:その優秀な山田くんをどこかに置いておくことができた?

山田:もうひとつ、僕の場合は、ちょっと完璧主義みたいなところがあって、部屋を全部きれいにしてからじゃないと勉強できへんとか、何かそういう壁というかハードルを常に自分に課してた部分があって、そういうのも取っ払うっていうことが僕の場合は大事だったかなと思いますね。

牧野:よくイチロー選手が、ルーティンをこなしてから打って素晴らしい結果を残したっていわれますけども、山田さんの場合はそのルーティンが過度に重なりすぎていたっていう部分があったんですか?

山田:例えば勉強してるときにシャーペンの芯がポキッと折れてじゅうたんに迷い込んだら、それを見つけるまでは再開できないとか、部屋全部きれいにし、全身を粘着テープでコロコロして、いまから手術できるんちゃうかいうぐらいきれいにしてからじゃないと勉強できないし、その状態で勉強しないとやっても意味がないみたいな気持ちにとらわれてた時期があって。

牧野:山田さんが経験されたことって、私もちょっとわかる気がして、青年時代って、なんであんなに些細なことを深く考えていたんだろうって思ったりもするんですけど、ただそのときの若い自分にその言葉を掛けたとしたら、どうなんだろうって思うところもあるんです。山田さんはその当時の自分にもどんな言葉を掛けますか?。

山田:「とりあえず」っていう言葉を伝えたいですね。玄関から一歩だけ足を出すとか、そういう小さい「とりあえず」を積み重ねていって、引きこもりを脱することができたというのが僕の感想なので、もう完璧でなくてもええわ!という、ただそこに生きているだけで全然勝ちやからということですね。いまはスターが成功した秘訣みたいな情報が毎日入ってくるから、どんどん自分でハードルを無駄に上げてしまってると思うんですけど、それは一種のエンターテインメントなんだって割り切る部分も必要なんじゃないのかなと思います。

牧野:腑に落ちますね。世の中のいいとこばかり見せているSNSに惑わされる必要はないですもんね?

山田:受け流していくというのが大切です。自分自身の世界を大事にしながら、生きてもらいたいと思います。そういうのも全部置いといて、「とりあえず」やってみようという。

【厚生労働省がHPで紹介している主な悩み相談窓口】
◇いのちの電話 
0120-783-556(午後4時~午後9時、毎月10日は午前8時~翌日午前9時)
0570-783-556(午前10時~午後10時)

◇#いのちSOS
0120-061-338(日~火、金は24時間対応、水、木、土は午前6時~深夜0時)

◇こころの健康相談統一ダイヤル 
0570-064-556(相談対応の曜日・時間は都道府県によって異なります)

◇よりそいホットライン 
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