■第19回世界陸上競技選手権大会 第8日(日本時間27日、ハンガリー・ブダペスト)
女子5000m決勝が行われ、予選で日本記録をマークした田中希実(23、New Balance)が14分58秒99の8着。2019年ドーハ、2022年オレゴンに続く3度目の決勝で自身初の入賞、日本勢では1997年アテネ大会の弘山晴美以来、26年ぶりの入賞を果たした。
今大会は1500mと5000mに出場し、これが4本目のレースとなった田中。中2日で迎えた5000m決勝は世界記録保持者F.キピエゴン(29、ケニア)の隣からスタートした。1周目は65秒程で入ったが2周目は74秒と安定しないペース。田中はアウトコースに位置を取り、東京五輪金メダルのS.ハッサン(30、オランダ)と並走するなど、中盤から後方でレースを進めた。残り4周で再びペースが上がると田中は入賞圏内に位置をあげ、対応。残り500mでハッサンが前に出るとエチオピア、ケニア勢が続いた。田中も食らいつき8位でフィニッシュ。磨き上げてきたラスト1周を61秒で走り、日本勢26年ぶりの8位入賞を果たした。
レース後、田中は「牽制が入ったりとかペース変動が激しいレースだったんですけど、その中でラスト1周まで食らいつくことが出来たのでワクワクしてしながら走りきることができた」と振り返った。さらに「去年のオレゴンはすごくむなしくて悲しくて、逆にずっと悲しみが怒りに変わってこの1年間努力してきて、でも、やっぱり怒りだけじゃなくて自分自身への許しが必要なんだと、この大会で初めて気づくことができた。それを気づかせてくれたのは色んな支えがあったからで私一人だとここまでこられなかったので本当に感謝の気持ちでいっぱいです」。最後は涙ぐんで周囲への感謝を語った。
優勝は1500mと5000mの世界記録保持者キピエゴン。今大会1500mを制した女王が2冠を達成した。
田中は予選でこれまでの日本記録を14秒86も更新。「今日はタイムが出たのでもうあとは怖いものはないと思うので、決勝では走れる喜びを胸に最後までかけぬけたいと思います」と話していた。
【女子5000m 結果】
金メダル F.キピエゴン(ケニア)14分53秒88
銀メダル S. ハッサン(オランダ)14分54秒11
銅メダル B.チェベト(ケニア)14分54秒33
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8位 田中希実 14分58秒99