10日に陸上の日本選手権男子3000m障害で優勝し、7月に開幕する世界陸上オレゴンの代表に内定した三浦龍司(20・順大)の強さについて、シドニー五輪金メダリストの高橋尚子さんが語った。

3000m障害決勝。高橋さんが「さすがの走り」と言うように、スタートから飛び出した三浦は2000mからさらにギアを一段上げた。順大入学後負け知らずの三浦が、圧巻の走りで連覇を果たした。世界陸上の参加標準記録をすでに破っていたため、日本選手権3位以内という条件を満たし代表内定を勝ち取った。

戦略通りの走りを見せた三浦に、高橋さんは「この日本選手権という舞台で臆することなく、(戦略通りの走りを)余裕を持ってできる。去年の東京五輪の大舞台というものを経て、すごく堂々とした走りというものが自分一人だけでもできる強さを感じました」と絶賛した。

三浦の強さについては「レースの先頭に立って引っ張れるだけの度胸」「技術力」「総合力」の3つを挙げた。「スピードを落とさないようなスムーズさや軽やかさっていうものを持ち合わせている」と水濠や障害を越えるその技術の高さを評価。1500mや5000mなど様々な種目に挑戦してきたことで「あらゆる走りのパターンというものだったり、力をつけていったことによって、ぶれない安定した走りというものがどこでもできるようになってきたことが大きい」とした。

「1個の五輪という舞台でこれだけ大きく、また自信と余裕を持って強くなった三浦選手が、また今回の世界陸上でどんなパフォーマンスというか姿を見せてくれるのかはまた楽しみになったと思います」。7月の大舞台にも期待を込めた。