24日から始まった東京電力・福島第一原発の処理水の海洋放出を受けて中国が日本の水産物の輸入を全面的に停止すると発表しました。富山県内の漁業関係者からも「不合理な外交圧力だ」との声が挙がっています。

記者「たったいま処理水の放出が開始されました」

東京電力は24日午後1時3分ごろ福島第一原発の処理水の海洋放出をはじめました。処理水に含まれるトリチウムの濃度は1リットルあたり43から63ベクレルと国の基準の6万ベクレルを下回っていて、「想定通り薄まっている」ということです。

東京電力は24日から7800トンの処理水を17日間にわたって放出する計画で、今年度はタンクおよそ30基分の放出を予定しています。これを受けて中国が反発。日本の水産物の輸入を全面的に禁止すると発表しました。

この事態に日本海側の富山県漁連の道井秀樹会長は…。

富山県漁業協同組合連合会・道井秀樹会長インタ1「不合理な外交圧力だとしか捉えていません。根拠に基づく冷静な判断を期待したい。それしかないですね」

富山県によりますと昨年度、県内からは4.2億円に上る水産物を海外に輸出しています。具体的な内訳は公表されていませんが中国にも「シロエビ」や「ホタルイカ」などを輸出しているということです。

富山県漁業協同組合連合会・道井秀樹会長「我々生産者も流通業者も『忍』の一字で我慢するしかない。もしくは理解していだけるところに購買力をもってやるしかない」

国内でも風評被害が懸念されるとして消費者に冷静な対応を呼びかけました。

富山県漁業協同組合連合会・道井秀樹会長「データ的に大丈夫であれば問題なく受け入れてもらえると思っています。理解をした上でしっかりと食してもらうことが大事なのかなと思います」