今年の上半期ブレイク芸人ランキング1位。
テレビで見ない日は無い超売れっ子芸人やす子が、鎌倉を走る!
「災害はいつ起きるか分からない。みんなが楽しんでいる休日に来るかもしれないから…」。土地勘のない観光地で津波から逃げるには?やす子が実証実験に挑んだ。
(「関東大震災から100年 あす巨大地震が来たら」)

8月5日土曜日午前5時過ぎ、集合場所に走って現れたのは元自衛官芸人の「やす子」。1時間前まで別の仕事をしていたという超多忙なスケジュールの中、愛らしい笑顔で、腰を90度以上曲げてスタッフに挨拶をしてくれた。
「元自衛官芸人のやす子です~。本日はどうぞよろしくお願いします~!」
多くの人に愛されている理由が出会ってものの数秒でわかった。
記者「ごめんなさい、朝早く」
やす子「いえいえ有り難いです。これまで救助する側でしたが初めて救助される側の立場を体験できます」
今回やす子に挑戦してもらったのは
「観光地で突然地震が来たら…津波が来る前に安全地帯に逃げられるのか?」という実証実験。

地震大国と言われる日本では、いつ、どこで地震が起こるかわからない。土地勘のない場所で、津波に襲われることもある。今回は年間1000万人以上が訪れる日本屈指の観光地、神奈川県鎌倉市の海岸近くでロケを行った。
今後30年以内に70%~80%の確率で起きるとされる南海トラフ巨大地震でも、鎌倉には巨大な津波が襲うことが想定されている。
神奈川県の津波浸水想定検討部会の会長、早稲田大学の柴山知也教授は次のように話す。
「津波が想定される地震が起きた場合、鎌倉市には最悪8分で第1波が到達する可能性があります。人は揺れてから動き出すまでに約2分はかかるとされているので、残りの6分をメドに逃げきらねばなりません」。
高校卒業後(2017年~)の2年間、災害対応のスペシャリストである陸上自衛官だったやす子はどんな道順を選ぶのか。
山口県出身のやす子が鎌倉に来たのは、今回が2回目。
「鎌倉…何も知りません。地形を全然知らない場所で逃げる怖さがあります」

そして実験スタート。
走りはじめたやす子のつぶやく声が聞こえてくる。
「お年寄りの方は階段とか大変だろうな」
「昼だからこれだけ走れているけど、夜だったり停電が起きたりしたら、
きっともっともっと大変」
「災害はいつ起きるか分からない。みんなが楽しんでいる休日に来るかもしれないから…」
「本当に起きたときはもっとパニックになっちゃうんだろうな」
災害への意識が、人一倍高いやす子。

これまでにも地震が発生した際には自身のSNSで
「枕元に靴を置いて」
「モバイルバッテリーを満タンに」
「お風呂の水はそのままに」
「ガスの元栓を確認」 などと呼びかけてきた。
“誰かのためになりたいから続けたい”
そんな想いから、やす子は芸人になった後も、今年の4月まで“即応予備自衛官”として活動していた。即応予備自衛官には、年に30日間の訓練があり、大規模な災害が発生したときには、部隊の一員として活動することもある。
今は芸人の仕事を優先して休んでいるが、また、来年から予備自衛官として戻る予定だという。
「自衛官として、これまで“災害時に国民の生命や財産をどう保護するか”という訓練を受け、“救助する側”としての視点を強く意識してきました。でも今回、津波が来る前にどう逃げるか?という検証実験に加わってみて、“救助される側”の気持ちを強く実感することができました。“正しく行動すれば、必ず津波から逃げられる”ということを、みんなに知ってもらえたらと思います」
町にある防災標識を生かすこと、地元の人に道を聞くこと…初めて知った津波から逃れる術。救助される側の立場を体験して、やす子の防災意識はさらに高まったようだ。














