駄菓子の魅力を伝える手書きのポップ。選りすぐりの駄菓子が並ぶ店内で、一生懸命レイアウトなどを考えているのは、小学2年生の男の子。「みんなが集まる場所を作りたい」という思いから、夏休み限定の駄菓子店をオープンしました。子ども店長がちょっぴり成長した、ひと夏の挑戦です。

真剣な表情で駄菓子を並べているのは、高知市の鏡小学校の2年生、亀川源平君。

▼亀川源平君
「みんなが来るように『いっぱい来てね』とか書けばいっぱい来るかな。楽しみ」

実は源平君、このお店の「店長」なんです。子ども店長としてのひと夏の挑戦。成長の日々を追いました。
高知市の山間部に位置する鏡地区。人口はおよそ1100人。農業が盛んな、ゆったりとした時間が流れるところです。

鏡小学校2年生の亀川源平君が駄菓子店を出すのは、鏡川沿いの、母=苗さんが経営するリラクゼーションサロンの一画。地域の人たちに喜んでもらおうと考えたのがきっかけでした。

▼母=苗さん
「学校に懇談に行った時に先生から『駄菓子屋さんするんでしょ?』と言われて、『えっ!?』という感じになって、息子に確認したところ、『駄菓子屋さんをやりたい』と」

2016年、東京、渋谷区で生まれた源平君。活発ながらも穏やかな性格で、苗さんいわく「ちょっぴり恥ずかしがりや」だったといいます。

共働きだった両親は共に高知市出身。大都会=東京での暮らしは、苦労が絶えなかったといいます。
▼母=苗さん
「息子が生まれたばかりの時に、ベビーカーを使っての移動、地下鉄とかも、すごく皆さん冷たいといいますか、極端に言うと。鏡地区に決めた決め手は、とにかく自然が豊かで静か。子どもを育てる環境がすごくよかった」
父=慎平さんが転職を決断し、源平君が4歳の時、『故郷=高知での暮らし』に舵を切りました。そうして鏡地区で暮らすようになった源平君。学年問わず仲がいい学校の友達や、地域の人たちに喜んでもらいたいと、駄菓子店を出そうと決意しました。
▼亀川源平君
「鏡には子どもたちが集まる場所がないので、作ってみようと思いました」
駄菓子の相場を調べたり、商品を集めたりと準備を進めました。



早速、オープンを聞きつけた地元の子どもたちがやってきました!源平君選りすぐりの駄菓子などが次々とカゴの中に入れられ、あっという間に店は人でいっぱいに。レジ前には長い列ができました。



さらに地域の人たちや大好きなひいおばあちゃんも訪れ、可愛らしい店長にとても満足な表情。初日は大繁盛のスタートとなりました。



一生懸命準備を進めてきた源平君。見守ってきた母の苗さんは我が子の成長を感じたと話します。
▼母=苗さん
「計算力だけじゃなくて、人と話をする。もともと引っ込み思案なのでそこの部分が解消されつつある成長を見ています。駄菓子屋さんに行ったことのない、初めてだという子が一生懸命、計算をしながら昔の駄菓子屋さんの光景を見ることができて、鏡エリアで期間限定で短い間ですけれど、みんなが体験していい思い出ができているんじゃないかなと、うれしく思っています」
持て余すほど時間があるようで、あっという間の夏休み。小学2年生のひと夏の挑戦は、地域の人たちを笑顔にしています。
▼亀川源平君
「やる前から(駄菓子を)並べるのも難しかったし、お客さんが来ても、計算するのも全部難しかった。知らない人もいっぱい来てくれたからうれしかった」
▼亀川源平君
「夏休み期間中、鏡で『げんげんのだがしや』をします。みんな来てねー」

『げんげんのだがしや』は8月は、21日から23日までと29日、30日の営業で、時間は午前10時から正午までです。不定休となる場合もありますので詳しくはインスタグラムを確認ください。
げんげんのだがしや(高知市鏡小浜)
インスタグラム gengen_dagashi
皆さんも夏の思い出に訪れてみるのはいかがでしょうか。