”高校生職員”として地域を盛り上げたい!

防府市観光振興課・平井耕平さん
「防府市と防府商工が連携した"高校生職員"という授業になります。商工の生徒さんが防府市の職員になって、市の課題に取り組んでいくものです」

高校生職員はこの春に委嘱されました。平安装束の製作のほかにも、公園のあり方を検討したり、スマートフォンのアプリをつくったりなど、まちを盛り上げようと活躍しています。製作した装束は秋に市民に披露されます。

平安装束と防府市との関係は…?

ところで、この取り組みが市の課題にどう関わるのでしょうか?その答えは約30年前にさかのぼります。防府市の国衙周辺で行われた発掘調査です。

防府市に置かれた周防の国の国府跡の調査で、役所などの跡が発見されました。ここで、長官の住居兼執務室とみられる建物の跡が見つかりました。そのあるじだったのが…

「契りきな かたみに袖を しぼりつつ 末の松山 波越さじとは」

歌人としても知られる、清原元輔が長官として赴任していました。年代的に元輔が赴任していた時期の建物とみられています。その元輔を父に持つのが…

「春はあけぼの。やうやう白くなりゆく山ぎは、すこしあかりて、紫だちたる 雲のほそくたなびきたる。」

枕草子で知られる清少納言です。清少納言が10歳くらいの時、防府市に滞在していたのではとみられています。

平井さん
「清少納言が、都と周防を行き来する船旅であるとか、情景が作品に影響を与えたんじゃないかっていう説もありますので、かなり周防の国の生活が、大きな影響があったんじゃないかなっていうのは防府市民としては思います」

地域の人も協力、若い感性に期待

今回の平安装束の製作には、地元の人の手助けも大きな力になっています。滝本邦子さんはドレスなども縫える洋裁の専門家ですが、着物など和裁の経験はあまりないということでした。しかし、高校生の若い感性に自分の経験が加われば、どんな創作活動になるのかと胸躍らせています。

滝本邦子さん
「楽しみですねえ。着物の文化が廃れてますよね。洋服で簡単にという。でも、着物の重厚さとか厳かさを子どもたちが感じてくれれば、日本の文化も大事にされるんじゃないかと思っています」