リニア工事をめぐる国の有識者会議。南アルプスの生態系への影響を議論する初会合が6月8日、都内で開かれました。静岡県の専門部会でこう着している議論が進むことが期待されます。

2020年4月に始まった国交省による有識者会議は、これまでは大井川の水資源への影響についての議論を重ねてきましたが、今回からはリニア工事が南アルプスの生き物や植物などに与える影響について話し合います。

参加する有識者も大半が入れ替わった中、今後の進め方についての議論が交わされ、「静岡県が先行してきた議論の内容を共有すべき」という意見が相次ぎ、次回以降の会議で、オブザーバーの難波理事による説明の場が設けられる見通しとなりました。

国交省は目標となる期限を決めておらず、今後は、関係者へのヒアリングと現地視察をした上で論点を整理する方針です。

<静岡県 難波喬司理事>
「生態系の議論はあらかじめ設定した時間通りに進めて結論を出すというものではないと思うので、期間を設けなかったことについては歓迎、評価したい」

会議後、難波理事は、生態系の議論が国の有識者会議に移ったことに期待を寄せました。

<静岡県 難波喬司理事>
「(県の専門部会では)環境影響の回避・低減が不十分。そこに踏み込んでいかないと次のステップに進めない。ある種、こう着状態だったが、これだけの委員の方が参加していますのでいい方向に見出してくれると期待している」

また、ルート選定の経緯の確認を国に求めたことや川勝知事が主張する「ルート変更」について尋ねられると、こう答えました。

<静岡県 難波喬司理事>
「ルート変更を前提にして議論するのではなく、今、決まっているルートで評価したうえで、影響の回避・低減ができないということであればどうするかということを考えるべき」