7月に開幕する世界陸上の代表選考を兼ねた日本選手権(9~12日、大阪・ヤンマースタジアム長居)の前日会見が8日に行われ、男子100mの桐生祥秀(26)やサニブラウン・アブデル・ハキーム(23)、女子1500mと5000mに出場予定の田中希実(22)らが出席した。


会見に臨むサニブラウン選手

4月24日の出雲陸上以来、1か月半ぶりのレースとなる桐生は「初戦のイメージで準備してきた。(参加標準記録の)10秒05をきっていないのでそのタイムを目指しながら走りたい」と落ち着いた表情で話した。
今季、国内初レースとなるサニブラウンは「あとはやるだけ、優勝して、(参加標準記録を)切って、オレゴンの切符を決められれば」と気合充分。4月29日の織田記念で左ふともも裏を痛めた多田修平(25)は「チャレンジャーの気持ちで挑みたい」と故郷・大阪での世界陸上代表内定を狙う。
男子100mは世界陸上の参加標準記録を突破している選手がいない。日本選手権で代表内定を勝ち取るには、3位以内に入り参加標準記録の10秒05を突破するのが条件となる。

会見に臨む田中希実選手

女子中距離のエース、田中希実(22)は女子1500mと5000mに出場予定。いずれも参加標準記録を破っているため、3位以内に入れば代表内定となる。田中は「世界を見据えた取り組みを意識してきたので、全力を出し切りつつも、その先の世界陸上にピークが合うようにしていきたい。1500mでは確実に3位以内を目指していきたい」と意気込んだ。

5000mでは田中の他に、廣中璃梨佳(21・JP日本郵政G)、萩谷楓(21・エディオン)、木村友香(27・資生堂)、佐藤早也伽(28・積水化学)が参加標準記録を突破していて、世界陸上への切符の行方が注目される。

前日練習の遠藤日向選手

1日目の男子5000mに出場する遠藤日向(23)は「3番以内で内定だけど、優勝、連覇を目指して頑張りたい。日本選手権チャンピオンのプライドを持ってやりたい」と話すように前回大会王者の意地を見せるつもりだ。遠藤は5月7日のゴールデンゲームズinのべおかで日本歴代2位の13分10秒69をマーク、参加標準記録(13分13秒50)突破を果たしているため、日本選手権で3位以内に入れば、即代表に内定する。