「第43回 全日本バレーボール小学生大会 全国大会」決勝戦が10日、東京体育館で行われ、女子は小岩クラブ(東京)、混合は深川VBC(広島)、男子は山王(京都)が悲願の初優勝を果たした。
男子決勝、山王はセッターで主将の1番・久原暖(6年)が170cmのエース・2番・池田陽仁(6年)、逆サイドの5番・田内翔也(6年)を巧みに使い分け、アタックで次々と得点を重ねていく。対する、鳴東VBC(愛知)は今大会最長身長175cmのエース・堀江亜汰琉(6年)にボールを集め応戦するも、第1セットを落としてしまう。
続く第2セット、このままでは終われない鳴東が途中同点に追いつくなど反撃を見せるも、山王エース・池田の高さのあるスパイク、8番・橋本璃生(6年)のサービスエースなどで流れを引き寄せ、山王が2セット連取し、悲願の初優勝を達成した。
試合終了後、山王のエース・池田は「優勝することができて嬉しい。上がってきたトスをしっかり打ちきることができてよかった」と笑顔で話した。将来の目標について聞かれると「日本代表に入りたい。髙橋藍選手や石川祐希選手のようなパワフルなスパイクが打てる選手になりたい」と活躍を誓った。
女子決勝は、小岩クラブ(東京)と富の原(長崎)の一戦は、2セットを連取した小岩クラブが頂点に輝いた。第19回大会以来、2度目の優勝となった小岩クラブの主将・1番・本田未音(6年)は「とても嬉しい、支えてくれた保護者の方々などに感謝したい。このチームは楽しくバレーができるチーム、優勝することができてよかった。憧れの選手は古賀紗理那選手。将来はバレーボール選手になって、五輪に出たい」と満面の笑みで語った。
今大会では、大会初のアンバサダーにロンドン五輪銅メダリスト 木村沙織(36)が就任。決勝戦を見守った木村は、小学生たちの熱き戦いに思わず涙する場面も。
表彰式では小学生たちに対し、木村本人から直接メダルや盾が贈られた。
1人1人に目線を合わせ笑顔で話しかけてくれるスーパースターを前にし、小学生たちは目を輝かせ嬉しそうな表情を浮かべていた。
表彰式後、囲み取材に応じた木村は「本当に感動して鳥肌が立った。私が小学生の時に目指していたけど来られなかったこの決勝の舞台にこういう形で来ることができて嬉しい。」と話し、小学生たちの熱戦に涙した場面については「負けてしまって準優勝のチームの悔し涙にもらい泣きして、勝って優勝したチームの嬉し涙にももらい泣きした。両方のチームにメダルをあげたい」と両チームの健闘を称えた。
そして最後に木村から小学生たちにエールと今大会アンバサダーとしての思いを語った。「プロの選手たちをこれからたくさん見て、あんな選手になりたい、こんなプレーをしたいとかどんどんバレーの輪を広がればいいなと思う。そしてこの全日本バレーボール小学生大会を、保護者の皆さんだけでなく、春高バレーのようにたくさんの方々に見に来てもらいたい」
【男子決勝】
山王(京都)〇2(21-14、21-17)0 ●鳴東VBC(愛知)
【女子決勝】
小岩クラブ(東京)〇2(21-19、21-12)0●富の原(長崎)
【混合決勝】
深川VBC(広島)〇2(21-13、21-13)0●兵庫北斗(兵庫)
■男子順位
優勝:山王(京都)
準優勝:鳴東VBC(愛知)
3位:東百舌鳥(大阪)、IZULU(静岡)
■女子順位
優勝:小岩クラブ(東京)
準優勝:富の原(長崎)
3位:全千寿JVC(開催東京)、スマイルキッズ(茨城)
■混合順位
優勝:深川VBC(広島)
準優勝:兵庫北斗(兵庫)
3位:潮見(愛媛)、恵み野JVC(南北海道)