こうした勤務の法的な見解について、労働問題を担当した経験を持つ佐藤朗弁護士は「労働時間や休憩時間、法定休日はルールとして守ってくださいというのが労働基準法だから、会社として常態化していたとすれば法律に違反する部分が出てくるのではないかと思います」
雇用条件に42時間のみなし残業…
一方で男性がビッグモーターに応募した当時、年収は730万円から4600万で、雇用条件に「みなし残業42時間」、残業の超過分は追加支給とされていました。みなし残業とはあらかじめ一定時間の残業をしたとして残業代を支払う制度です。

佐藤朗弁護士:
「想定されている残業時間が実態と合っていたのかどうなのか、そこらへんが問題になってくる。基本みなさん、スマホやパソコンを使っていますので、いつから仕事を始めていつまで会社にいたのかっていうのはそれでわかったりします。具体的な就労実態がどういうものだったのか検証する必要があると思います」
さらにいま全国的な問題となっているのが街路樹への除草剤使用問題。ビッグモーターの店舗前の街路樹が全国的に枯れている事態を受け国や自治体が調査を開始。大分県内でも大分下郡店と中津店に調査が入り、中津店は除草剤をまいたことを認めました。

この件についても、佐藤弁護士は「民事」と「刑事」2つの責任が問われる可能性があるといいます。
佐藤朗弁護士:
「街路樹を枯らすとか切るとかになれば、民事上はそういう不法行為といって損害賠償の責任にはなります。刑事上は器物損壊罪、道路附属物損壊罪というのも成立する可能性がある」
OBSではビッグモーターに対し、社員の勤務実態などについて問い合わせましたが、9日までに回答はありませんでした。
現在は別の会社で車関連の仕事をしている元社員の男性は、企業体質の根本的な変化が必要だと話します。
ビッグモーター元社員の男性:
「営業経験を積んできて中途で来た人でも『これは耐えきれる環境じゃないわ』と言って辞めていきました。働いている人にもお客さんに対しても優しい企業になってほしいと思います」