農業への被害を減らそうと安曇野市は、非常勤の公務員を採用し、サルの追い払いを行う活動をはじめました。


8日朝、市役所に集まった38人のメンバー。

赤のビブスの背中には、「サル追い払い隊」の文字が入っています。

2022年度の長野県内の野生鳥獣による農林業への被害額は、およそ7億3000万円で、サルによるものが7000万円。

安曇野市内では、西部の山ろく地域で農作物が食い荒らされたり、家に侵入されたりといった被害が増加しています。


このため、市では、63人を非常勤の公務員として採用し追い払いを行ってもらうことにしたのです。

全国的にも珍しい取り組みで、任命された人の多くが、被害を受けている地域の住民です。

隊員:                                                 「私の住んでいる地域が毎日のようにサルが出てきて、サルが来るから最初から耕作をしないということで耕作をやめている人が多くて」                                「人間の作物を荒らされないようにちゃんと、サルに分かってもらいたい」

任命式が終わると、さっそく活動がスタート。


以前、捕獲したサルに取り付けたGPSの位置情報などを手がかりにします。

任務は、人里に現れたサルを山へ追い払うことで、駆除などは行いません。


当面は、シフトを組んで、隊員1人あたり月に4,5回の出動を想定し、1日に2時間程度の活動で、3500円が支給されます。

この日は10人ほどが参加しましたが、サルの姿は見当たりませんでした。

隊員:                                                    「敵もさる者ですからハハハ」                                     「監視していることだけサルには分かってもらえれば」                          「里山に近づいてはいけないと学習させたいなと思います」

サルの追い払いは、正月などを除き毎日行われる予定です。