来年秋に今の健康保険証を廃止する方針をめぐり、岸田総理は廃止時期を当面、延期しないとあすの記者会見で表明します。判断に至るまでには政府・与党内での綱引きがありました。
岸田総理
「あすの夕刻、会見を開き、私から説明をしたいと考えております」
マイナンバーカードと健康保険証の一体化をめぐり、岸田総理はさきほど、視察先の群馬県高崎市でこのように述べ、あす、記者会見で説明する考えを示しました。
会見では▼来年秋に今の保険証を廃止する方針は当面、延期しない、▼マイナ保険証を持っていない全員に「資格確認書」を発行し、有効期間は現行の健康保険証を踏まえたものとすることを表明する見通しです。
これに対し、野党は…
立憲民主党 長妻昭 政調会長
「保険証と何が違うんだろうと、保険証の表面にシール貼るのと同じじゃないのかと。お金も相当手間もかかることをですね、あえてやるというのは理解不能であります」
今の保険証の廃止方針をめぐっては、これまで政府・与党内で綱引きがありました。
萩生田政調会長など自民党幹部の一部は、“国民の反発が強まっている”として廃止の延期も含めた対応を求めました。
政府関係者によりますと、岸田総理自身も…
岸田総理
「デジタル化やマイナンバーカードの普及は絶対にやる。ただ、手法については考えなければいけない」
このように語り、一体化の必要性は認めつつも、保険証廃止については延期も視野に検討していました。
ただ、来年秋に今の健康保険証を廃止するという方針は今年6月に成立したばかりのマイナンバー関連法に明記されていて、期限を延期するには法改正が必要です。
自民党幹部
「秋の臨時国会が『マイナンバー国会』になってしまう」
菅前総理(岸田総理に伝達)
「方針を変えたら、かえってダメになる」
河野・加藤両大臣は期限の延期に反対する考えを伝えたほか、公明党の山口代表も「今決める理由がまったくわからない」と明言。
さらに、おととい麻生副総裁、茂木幹事長が岸田総理に対し、「資格確認書で対応できる」として保険証廃止の方針を維持すべきと伝えたことで、流れができあがりました。
ただ、岸田総理はあすの記者会見で秋のマイナンバー総点検の結果などを見極めたうえで、「さらなる期間が必要と判断する場合には必要な対応を行う」と表明することにしていて、将来的な延期の可能性も残しています。
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