岡山理科大学が開発した陸上での魚の養殖を可能にする特殊な水「好適環境水」。


この水を使って魚と野菜を一緒に育てる循環型農法に岡山市中区の高校の生徒が取り組んでいます。

生徒が挑戦するのは「アクアポニックス」と呼ばれる循環型農法です。

この装置は魚の排泄物を含んだ水が水槽の隣にある設備に流れ、排泄物に含まれる窒素やリンを野菜が吸収する仕組みになっています。

きれいになった水が水槽に戻り循環することで魚の養殖と野菜の栽培が同時にできるといいます。


東岡山工業高校では今年度から5つの学科が連携してこのプロジェクトに取り組んでいます。



(東岡山工業高校3年生)「自分の学んでいることをいかしつつ、他の分野にも広げていけたらなと思っていて。養殖とか栽培とかにつなげていけるんだなと実感していて、こういう科学の使い方もあるんだなと思っています」

この農法のポイントとなるのが岡山理科大学が開発した好適環境水です。

真水に微量のナトリウムやカリウムを混ぜたもので、海水魚も淡水魚も養殖できる特殊な水です。

真水に近い好適環境水を用いることで、塩水では育たない野菜と海水魚を同時に育てられるといいます。


さらに魚の排泄物が分解され野菜に栄養素として吸収されるため、一般的な養殖と比べて水がきれいに保たれることもこの農法のメリットだといいます。

(岡山理科大学 山本俊政准教授)「水を変えない技術。そこをいちばん重要視します。水がないところで何回も何回も水を大事に使い回す技術が世界的には必要」


貴重な水資源を最大限に活用するこのプロジェクト。学校では、魚はメバルを、野菜はリーフレタスを育て、販売を目指しているということです。