出会いに恵まれ…両親の思い

今回は岩国市の吉香公園で、自然と歴史を巡るツアーです。文子さんの知的障害は最も重い等級です。それでも才能が花開いて多くの人に受け入れられ喜んでもらえるのは、出会いに恵まれたからと両親は感謝のことばを口にします。

母・久米さとみさん
「想像もできなかったことで、本当に私たち夫婦の希望になりました」

父・久米慶典さん
「障害があっても不幸せじゃない。苦労は多いですけどね。多くのサポートする人がいて、そして結という仲間がいて大切にされてるんですよ。なおかつ、その自分のやることが認められている。そこが文子が今、幸せなところかなと思いますね」

刺しゅうが認められたことで文子さんに自信が芽生え、自尊心が育ったと感じています。

慶典さん
「重度の障害があるので、1人で生きていくということは難しいんですよ。ですからやっぱりサポートしてくれる人がたくさんいてもらいたいと思います。そういう環境を作るのが実は親の仕事かなと。あとはね、作品が売れようと売れまいといいんで、文子らしく生きてもらえばいいなと思いますね」
さとみさん
「好きなことを長く続けてもらって、それでみんなに喜んでもらえるっていうことが文子も幸せだから、そういう人生を送ってほしいなって思いますね」
スタッフ
「今、何色の、何を作っちょるんかね?」
文子さん
「黄緑と緑と赤とピンクと青と水色とオレンジと黄色。マットブラウンとワインとセルリアンとキャニオンと・・・。刺しゅうを頑張ります」
スタッフ
「頑張る?」
文子さん
「頑張る」

出会いによってやりたいことにたどり着くことができます。そして、大切にされ認められることでゆっくりであっても進歩していくこともできます。文子さんが教えてくれています。