お店や他のお客さんに配慮した撮影

今回リポートするのは、もちもちの極太麺を魚介の風味が効いた濃厚なつけ汁にくぐらせていただく一番人気の「特性濃厚つけそば(麺大盛)」。スマホで写真を撮った後、ハンディカメラでも撮影します。そして、つけ麺をすすりますがカメラに向かって食リポをするそぶりを見せるだけ。声は出していません。聞こえるのは麺をすする音だけです。
撮影を終えたSUSURUさんに、声を出さない理由を聞きました。

(SUSURUさん)
「食べてるときは全く喋らないので。撮影してる感もあんまり出したくない。できるだけお店の雰囲気を壊さないでいきたいので。特に今日は営業中だったので」
SUSURUさんの気配りに、「中華蕎麦 生る」の店主も何事もなかったように撮影が終わったことに驚きます。他のお客さんへの配慮やスムーズに営業できて、ありがたいと感じていました。
これまでに紹介したお店は2000軒以上。快く取材に応じてもらえるのは、お店やお客さんを第一に考えた撮影スタイルを徹底しているから。事務所に帰ってから、味の感想をスマホのメモ帳にまとめ、コメントを収録。撮影した動画と併せて編集、投稿します。

1000ページに及ぶスマホのメモ帳には、味の感想やお店の情報がびっしり。配信動画には決して映りませんが、こうした努力の成果が実ったのか、本の出版や冷凍ラーメン自販機のプロデュースなど活動の幅を広げています。
大きく人生を変えたユーチューブ

SUSURUさんがユーチューバーとして活動を始めたのは22歳の時でした。きっかけは、先輩に誘われるがまま〈好きなラーメンを食べて動画にするだけ!〉という軽い気持ちでスタートさせたユーチューバー生活。
始めた当初は、親には絶対に反対されると思い言えませんでした。2年半ほど経って親の耳に入った時には30万人ぐらい登録者がいたため、なんとか続けられました。今では家族で配信を見てくれるように。視聴者が増えた今は「ラーメン業界を少しでも盛り上げたい」と使命感を持ち活動しています。

妻と生後5か月になる子を持つお父さんの顔も持っています。収入は同世代よりは多いものの突き抜けているほどではありませんが、妻と子どもを養うには十分だと明かしました。子どもには、自身が明日の保障がないことを経験しているため、親としては勧められないと考えています。
ユーチューブが、SUSURUさんにとってどんな存在なのか聞きました。

(SUSURUさん)
「ラーメンを食べるのを撮影してユーチューブにアップすることで、多くの人と関わりを持てた。僕の人生を大きく変えてくれた。感謝しかないですね、ユーチューブには」
今後もユーチューバーとして活躍し、70歳になっても現役で活動できたら面白いと考えていました。好きだけではなく、投稿の裏には緻密に考え、アイデアを持って研究し続ける姿勢があるからこそ活躍できる職業なのかもしれません。
CBCテレビ「チャント!」5月31日の放送より。