27日も高知県内の今年の最高気温を更新した、四万十市江川崎。なぜ江川崎は暑いのか、現地を取材してきました。

(東杜和 気象予報士)
「きょうは日本一暑い街になったこともある四万十市江川崎に来ています。たしかに、暑いですねえ!きょうはここ江川崎の暑さに迫りたいと思います」

10年前の2013年8月12日、四万十市江川崎では当時の国内最高気温41度を観測しました。この時は、8月10日から13日まで、4日連続で40度を超える気温となっていました。

(東杜和 気象予報士)
「こちらが実際に41℃を観測した江川崎のアメダスです」

アメダスとは、気温・雨・風などの気象状況を地域ごとに細かく観測し防災や被害を軽減する役割を果たしている気象観測システムです。

(東杜和 気象予報士)
「こちらが温湿度計になります。銀色の筒のようなものですね。1.5mほどの高さにあります。下から空気を吸い上げることで中心で気温を測っています」

取材をした25日、江川崎の最高気温は35.5度。江川崎は一体なぜ、こんなにも暑いのでしょうか。一つ目は、江川崎が内陸に位置しているということ。昼間は海風が吹き、海から涼しい空気が流れ込みますが、江川崎は海から遠く、涼しい空気が届かないので、気温が高くなりやすいです。

二つ目は、江川崎が山に囲まれた盆地であるということ。風が山を越えて吹き降りると、元の状態より気温が高くなる、「フェーン現象」が発生し、江川崎にはより暖かい空気が入って来ます。さらに四方を山に囲まれているので、暖かい空気の逃げ場がなくなって、江川崎にたまり続けるため、気温が高くなりやすいと考えられます。

(東杜和 気象予報士)
「せっかく江川崎まできたので、道の駅よって西土佐に寄ってみましょう!」

当時、日本一の暑さとなった江川崎。まちもこの暑さを、観光振興にいかそうとしています。地元の野菜や四万十川でとれた天然アユが魅力の道の駅よって西土佐で、話を聞いてみました。

(道の駅 よって西土佐 林大介 駅長)
「暑さ日本一になった時は40℃が4日間続いて全国でもないんですよね。そのときには『暑くてもう嫌だ!』っていう気持ち、本当にありましたけやっぱりこの西土佐って『暑いとこですよ!』っていうがをね、知ってもらう、暑さがあるからおいしいものができる!昼間はこんなに暑うなっておいしいスイカができるとか、そんなことも知ってもらいたいなと思います」

(東杜和 気象予報士)
「先程からちょっと気になっているものが…後ろにBBQの文字が」

(道の駅 よって西土佐 林大介 駅長)
「そうなんです、ぜひ食べていってください。おいしいお肉が焼けますよ~」

道の駅の向かいにあるしまんとリバーサイドBBQでは手ぶらでバーベキューを楽しめます!せっかくなので、私も!

(東杜和 気象予報士)
「日本一暑い町になった西土佐、ここにはある日本一の方がいらっしゃるんです」

四万十市西土佐出身で、オープン時からのスタッフ、川井集平さん。去年、ステーキをどれだけおいしく焼けるかを競う大会で日本一になり、3月には日本代表としてアメリカ・テキサス州で開催された世界大会にも出場しました!

(東杜和 気象予報士)
「焼きあがりました~!」

まずは、四万十牛のサーロインから!

(東杜和 気象予報士)
「脂が甘くて美味しいお肉ですね」

(川井集平さん)
「赤身のランプもぜひ食べてください!」

(東杜和 気象予報士)
「脂が少なめでお肉本来の味が…いや~最高ですね。ピーマンも普通のものよりちょっと甘さを感じるような」

(川井集平さん)
「そのまま焼くと苦味が抜けるので…来られるお客様、お子さんとかも『このピーマンやったら食べれる!』と」

(川井集平さん)
「四万十牛も野菜も気温の寒暖さがあるからこそなのかなと、思っています。今年も世界大会に行けるように3月から2回国内大会に出てて、今、順位もいいところにつけられてるのでもう1回アメリカに行きたいと思ってます!」

体には堪えるこの「暑さ」を、まちおこしにつなげている四万十市江川崎。気温だけではなく、その「アツい」気持ちも感じた取材でした。