「下手したらもう廃業になる…諦めの境地」
(窯元・柳瀬裕之さん)「下手したらもう廃業になるのかなと。薪がない場合はどんなに作っても焼けない。参ったなというか諦めの境地です」
大雨被害は、9軒の窯元が共同で使っている唐臼場にも及んでいます。土砂の流入で、唐臼5基のうち2基が損壊したほか、動力となる水路の水が止まりました。
(小鹿田焼技術保存会・坂本浩二会長)「自然の怖さを改めて知った。ここまでは勘弁してもらいたいというのが本音。早めの復旧をお願いするしか…」
豪雨から2週間。一部の窯元では唐臼を動かし始めたり、器を乾かす「天日干し」の光景が見られたりと徐々に作業を再開しています。

小鹿田焼技術保存会の坂本浩二会長は「復旧が見通せないなかでも9軒の窯元が協力しながらこの難局を乗り越えたい」と話します。
(小鹿田焼技術保存会・坂本浩二会長)「いつ回復するというのはわからないです。唐臼の音が響き渡る里になるにはまだ時間がかかりそうです」

300年以上の歴史を持つ小鹿田焼。豪雨の爪あとが多く残る中、伝統の技を守るための復興の歩みははじまったばかりです。