記録的豪雨で深刻な被害を受けた地域のひとつが、大分県日田市の「小鹿田焼の里」です。災害を乗り越え、300年以上続く伝統的な技法を守っていくにはどうすればいいのか?現地を取材しました。
(糸永記者)「小鹿田焼の里に来ています。集落の上の林道なんですが、倒木でしたり道路にブルーシートがかぶせられていたりと至るところに被災の爪あとが残っています」
9軒すべての窯元が被災 今年も秋の「民陶祭」は中止
国の重要無形文化財「小鹿田焼」。その里として知られるのが日田市皿山地区です。7月10日、記録的豪雨に見舞われ、9軒全ての窯元が被災。4年ぶりに開催予定だった秋の「民陶祭」も中止になりました。

(窯元・柳瀬裕之さん)「当時土砂は60センチぐらい入ってまして、水はちょっと消えているんですけど、そこら辺まで入った状況」
6代続く窯元の柳瀬裕之さん。柳瀬さんは代々受け継がれてきた技法に欠かせない、土を砕くための「唐臼」を3つ所有していましたが、その1つが雨で流されました。さらにー。
(窯元・柳瀬裕之さん)「上に行く道があって、上の倉庫がうちの薪小屋なんですけど、薪と機械は全部無事でしたが、この道が通れないと乾燥した薪が取りに行けない」

小鹿田焼は、2年間乾燥させた薪を燃料に焼き上げますが、近くにある2年に満たない薪の保管場所で、大規模な土砂崩れが発生し、確保するのが厳しい状態に。柳瀬さんは「自力ではどうすることもできない」と今後に不安を感じています。