政府が来年秋に廃止を予定している現行の健康保険証をめぐり、廃止後も最大1年間は続けて使えるとしている猶予期間が実質1日にも満たないケースがあることがわかりました。

現行の健康保険証をめぐって、松野官房長官は25日の会見で「来年秋の保険証廃止後も“最大1年間”、2025年秋まで猶予期間として、発行済みの保険証を使える」と説明しました。

これについて立憲民主党のヒアリングに出席した厚労省の担当者は、現行の健康保険証を廃止した後に発行済みの保険証が失効した場合、新たな保険証は発行できないと説明しました。

現行の保険証は最も遅い場合でも来年12月8日に廃止することが法律で定められていますが、来年12月9日に医療費負担の変わる年齢となる70歳や75歳になった人や、転職した人などは新たに健康保険証を取得することができないため、猶予期間が実質1日にも満たないことになります。

厚労省は保険証が失効した場合、マイナンバーカードや資格確認書で受診できるとしていますが、立憲民主党の議員は「“最大1年間の猶予”は裏を返せば“最短でゼロ日”ではないか」と反発しています。

また、デジタル庁に立ち入り検査を行っている個人情報保護委員会は、前回のヒアリングで「河野デジタル大臣も対象に含まれる可能性がある」と説明していましたが、25日のヒアリングでは「検査対象は事務方レベルを想定している」と修正しました。