叔父が辿ったであろうガマを巡ると…

玉泉洞の発見などで知られ、八重瀬町に残るガマの測量なども行う、洞窟の専門家、山内平三郎さんです。この日、村上さんは、山内さんとともに伯父が辿ったであろう、八重瀬町のガマを初めて巡ることになりました。

洞窟の専門家 山内平三郎さん
「おそらく真壁に行く途中に、ここに立ち寄っていると思う」

敵の船に体当たりする特攻艇を隠していたとされる具志頭の秘匿壕や、安里の陣地壕など、どれも鬱蒼と生い茂る森の険しい場所にありました。

洞窟の専門家 山内平三郎さん
「日本軍は銃器類とか持っていますよね。水が多い所では、使い物にならないから、水の多い洞窟に入っていないと思う」

村上明男さん
「確かに乾いていますね。今日巡ったとこも、地図やいろんな資料を見ても1人じゃ絶対行けない」

「伯父がここに入ったかどうかは別として、その周りにいた住民とか兵士も含めて、必ず伯父が知っていた人が色々入ったのは間違いないので、ほんの一部だけど、見て聞いて感じて汗びっしょりになって感じられた」

伯父がいたかもしれない場所に立った村上さん。資料からは、分からなかった足跡を辿れたような気持になりました。

村上明男さん
「モヤモヤ感をはらすというのが原動力かな。平和の礎に刻まれているのは有難いけど、それだけでは遺族家族として納得していない人もいるだろうし、私自身もそういう思いがあって、情報が集まってくると、ファミリーヒストリーとしての数ページの歴史には書き残せるだろうなとは思っている」

少しでも伯父が生きた証を残したい、村上さんは、地道な調査を続けます。