文化財が舞台の対局 ここで選んだ勝負めしは…


“北の春はニシンで明ける”とうたわれ、江戸時代から昭和初期にかけ、北海道の西海岸一帯はニシン漁で栄えました。
旧本館は、そのニシン漁で財を築いた大網元が明治時代に今の余市町に建てた、いわゆる「ニシン御殿」。

1938年に移築され料理旅館となりました。
「銀鱗荘」は素材の味を生かした料理が自慢の宿。
食材の宝庫・小樽ならではの新鮮な魚介などを使った会席からフランス料理まで楽しめます。



藤井七冠が選んだ25日の「勝負めし」はイクラやウニ、エビなど海の幸が豪快に乗った「海鮮ちらし」でした。
そして、午前のおやつは銀鱗荘が王位戦のために特別に作った「白桃の水羊羹」と「抹茶ロールケーキ」を注文しました。
午後は、ニトリ観光果樹園で大人気の特製アップルパイ。
中には大きなりんごの果肉とアーモンドクリームが入っています。



藤井七冠の小樽入りに、街も様々なところで盛り上がっています。
(ファン)
「よくぞ銀鱗荘、あの素晴らしい場所を選んでくれた。お待ちしておりました」
「できれば会いたい。(Q:残念ながら姿は見られないが?)来てくれただけで嬉しい」

大型書店では「藤井王位特設コーナー」が作られています。
(コーチャンフォー新川通り店 稲垣美穂さん)
「このたび小樽にいらっしゃるということで、当店でも常設で棚を用意していたが、売り上げが伸びると期待して大きく拡大させていただいた。棋士の方、単独というのは藤井七冠が初めて」


さらに老舗和菓子店では将棋とかけた、かわいい和菓子も…。
(和菓子処 つくし牧田 牧田浩司店主)
「『シマエナガ 将棋バージョン』です」
自身も将棋ファンという店主が王位戦を盛り上げます。
売れ行きは想像以上に…。
(和菓子処 つくし牧田 牧田浩司店主)
「小樽で王位戦が行われるということで、店として何か応援ができないかということで販売させていただいた。ここ数年では一番売れた商品だと思う」

7月18日、棋聖4連覇で20歳を締めくくった藤井七冠が21歳での初白星となるか。
王位戦第3局は26日夜には決着する見込みです。