ーーなぜ農家に依頼をしたのか?
A氏「福島で私が(桃の)サンプルをもらって、それで良い桃だなとなった。『桃を提供してください』という文書が宮内庁から来た」

つまり桃のサンプルを持って宮内庁へ行き、良い桃だなという話になり、宮内庁の方から「桃を提供してください」という文書が、自分に来たのだと説明しているわけです。

ーー木の看板は、一体何なのか?
A氏「私、自分で作ってないよ。宮内庁から木の板と文言が届いて、制作を依頼されたので、知人に頼んで作ってもらった。その看板を福島に届けただけ」

「宮内庁から依頼をされた。それを福島に届けただけである」と主張しています。

井上貴博キャスター:
宮内庁からの文書は手元にあるんですか?

山内あゆキャスター:
文書というのは、説明の文言のことです。一体どのような書類が交わされたかなど、その時の詳しいことについては語っていません。

ーー70キロの桃は、一体どこへ行ったのか?
A氏「農薬などが大丈夫か確認しないと、天皇陛下は召し上がれないので、自分で都内で桃を検品し、着払いで宮内庁に送った」

ーー着払いの控えは?
A氏「持っていない」

着払いで送ったという説明です。

渦中のA氏は、これまで度々福島に行っていて、人間関係を築いていました。自分のことをどんなふうに紹介していたのでしょうか。桃農家などによると「宮内庁の関係者である」そして「東京大学の教授である」と語っていました。

しかし、東京大学に問い合わせたところ、A氏と同じ名前の人、そしてA氏と思われる人が在籍していることは、確認できませんでした。

渦中のA氏は、この地域では宮内庁の関係者と言っていましたが、JNNの取材に対して「私は(宮内庁の)職員じゃないですよ。ボランティア。東大のいろんな研究室が協力してくれて。私はその窓口」と答えました。

日比麻音子キャスター:
聞けば聞くほど、よく分からないですよね。一体何が目的だったんでしょうかね。

産婦人科医 宋美玄さん:
桃70キロは、転売したわけじゃないけど、消えてしまったんですよね。実際に「献上」という形で集めて。

井上貴博キャスター:
転売したとしても、詐欺のやり方は実入りも悪すぎる。犯罪の手口に良い悪いは全くないですけど、それにしても目的がわからない。足もつくし、なぜこういった方法をとるのか分からないですよね。農家の皆さんには、本当にお気の毒です。