岡山市東区の神社が、地元の商店向けに「紙幣と硬貨を手数料なしで両替する」取り組みを始めました。背景に、さい銭で大量の硬貨が集まる神社ならではの事情があります。
■神社が「さい銭」で直面している問題とは?


(リポート)
「感謝や願いを込めて納めるおさい銭をめぐり、神社がある問題に直面しています」
(窪八幡宮 本間裕康 宮司)
「今、神社仏閣は『おさい銭の両替』でどこも困っている。銀行も郵便局も手数料がばかになりませんから」

多くの金融機関で硬貨の預け入れや両替に手数料が導入されるなか、今年1月、これまで無料だったゆうちょ銀行でも枚数に応じて手数料がかかるようになりました。
■そこで神社はひらめいた!


こうした中、岡山市東区の窪八幡宮が地元の商店を対象に始めたのは、「手数料なしでの両替サービス」です。


店は「紙幣を釣り銭用の硬貨」に、神社はさい銭で「大量に集まる硬貨を紙幣」に替えることができます。金融機関へ支払う手数料がなくなり双方の負担軽減につながるといいます。

「軽く頭を下げてください」


(商店主は)
「『お参りしておさい銭』という形だけなので、こういった形で両替というのは非常に新鮮でありがたい気分で、心が洗われる」
「縁のある大切な硬貨を、手数料なく交換してもらえるのは、お店にとってもお客様にお渡しするお釣りとしてもすごくいいなと思って、今回両替をしました」
■さらに参拝者も得をするシステムとは?


境内に、両替に参加した商店の広告やクーポンを設置することで、参拝者に向けた地域の情報発信も行います。

(窪八幡宮 本間裕康 宮司)
「両替はあくまでも『きっかけ作り』だと思っていて、それによって参拝者も増え、参拝者にとってもありがたい情報が手に入る。商店も神社も手数料が助かる。そういう三者がウィンウィンの関係でできるかなと」

両替を通じてお金や人を循環させる…。窪八幡宮では今後も毎月1日に両替をして、地域活性化に繋げていきたいとしています。