東京電力・福島第一原発の処理水を海に放出する計画を巡り、中国が日本の水産物に対する「事実上の輸入禁止措置」を打ち出したことについて、野村農水大臣は「早期撤廃を強く働きかける」と述べました。

中国の税関当局は今月7日、福島第一原発の処理水が海に放出される計画を受けて、日本からの水産物について「100%の検査を行う」との通知を出しました。

関係者によりますと、放射性物質の検査は、▼鮮魚の場合で2週間、▼冷凍の場合で1か月ほどかかるため鮮度を保つことが難しいとして、日本から輸出を自粛する動きが出ているということです。

野村農水大臣
「現行の規制の早期撤廃を求めるとともに、更なる規制の強化を行わないように関係省庁と連携して強く働きかけてまいる」

野村大臣は「日本産食品の安全性は科学的に証明されている」と強調した上で、「詳細な状況を確認している」と説明しました。

農林水産省によりますと、中国は水産物の最大の輸出先でホタテ貝やナマコなどの人気が高く、去年の輸出額は871億円にのぼるということです。