「すまん、母さん殺してしもた。限界やった」

事件現場となった自宅マンション

午後8時過ぎ。宗武被告から優香さんに再び電話。

「すまん、取り返しのつかないことをしてしまった。母さんのことをボコボコにしてしまった。多分、顔の骨が折れた」

優香さんは驚いたという。
「冗談ではないと言い方から伝わったが、頭が真っ白になった」

家族に対して手を上げることはほとんど無かったという宗武被告。

「これまでの夫婦げんかとは違うことがあったのだと感じた」

しばらくすると、佳寿美さんも電話口に。
「左目が見えにくい」

酒を飲んでいるのか、ろれつが回らない様子だった。
「私のこと、父さんが殺すんだって」

そして…電話は切れた。

「一体どういう状況なの?」
優香さんが電話をかけ直すも、繋がらない。

気をもんでいると1時間ほど経った午後9時10分ごろ、電話が鳴った。

「すまん、母さん殺してしもた。限界やった」

優香さんはパニック状態で叫んだ。
「私よりも警察に連絡して」

約20分後、宗武被告は警察に通報した。

「妻を殺しました、首を絞めて殺した」
「日ごろのうっぷんが溜まっていた、いっぱいいっぱいだった」