5年前、栃木県日光市で行方がわからなくなったフランス人女性の捜索について、日本政府は国連から、フランス当局と連携するよう要請があったことを明らかにしました。

フランス人のティフェヌ・ベロンさんは、2018年7月日光市の宿泊施設に1人で泊まっていましたが、スーツケースやパスポートを部屋に残したまま行方がわからなくなり、警察は事件と事故の両面で捜査を続けています。

今年4月に出された国連の強制失踪委員会の報告書によりますと、フランス当局は誘拐事件として捜査を始め、日本の警察に2018年とおととしの2回にわたり携帯電話のデータ収集や保護を要請しましたが、回答を得られなかったということです。

このため委員会は、強制失踪条約に基づいて、日本政府に対し、ベロンさんを捜索、発見するためにフランス当局と最大限連携するよう要請したということです。

松野官房長官はきょうの会見で、要請があったことを認め、「日本政府として、しかるべき回答を行った」と述べました。

国連の強制失踪委員会は、条約加盟国に対し失踪者の捜索に関連する情報提供の要請や勧告を行うことを主な任務の一つとしています。