<尾崎文哉ディレクター>
「こちらのひつまぶしをいただきます。表面はパリパリしているが、中はふんわりしていて、そしてなんと言ってもこのタレがご飯に絡んでいて美味しいです」
静岡市清水区にあるかん吉清水店です。炭火で焼き上げる鰻が自慢の人気店です。今回のしずおか産はこの美味しそうなひつまぶしではなく、鰻の人気店が生んだ万能調味料「神のタレ」です。こちらのタレはうなぎを余すことなく使っているんです。
お店では、県内産のうなぎを使っています。うなぎを毎日捌き、焼いていますが、そのときに出る頭と骨を今までは捨てていました。
<かん吉清水店 吉田喜久子店長>
「頭と骨もウナギの一部なので、すごいもったいないなとずっと思っていた。なので、たれの出汁に使ってみようと思いついた。骨って本当に出汁が出る。和のフォンドボーと思っているが、そう考えると宝物みたい。今までゴミだと思っていたものが宝物みたいに思える」
お店には神のタレを製造できる設備がないため、食品工場に委託しています。焼いた頭と骨をお店と同じレシピで作ったタレに入れて煮込むことで、うま味たっぷりに仕上がります。この「神のタレ」が生まれたのはある出来事がきっかけでした。
<かん吉清水店 吉田喜久子店長>
「数年前に主人が病気をして、鰻の仕事ができなくなってしまった。その時にこの店を閉めようか悩んだ」
鰻職人として厨房に立っていたご主人の裕司さんが難病を患ってしまいました。お店の営業を続けていくために喜久子さんは鰻の捌き方や焼き方など全て一から覚えることになりました。
<かん吉清水店 吉田喜久子店長>
「本当に時間に追われた。子どもの送り迎えもあり、店のことも考えなくてはいけない。そんななかで家族の食事を作るのは本当に大変で、うなぎのタレがたくさんあるので、それを作って料理を作ってみたところ、すごくおいしくできて、これはいいということで商品にしてみたいなと思った」
神のタレはどんな料理にも合うと吉田さんは言います。おすすめは、生姜焼きです。
<かん吉清水店 吉田喜久子店長>
「漬けこまないし、生のお肉を焼いて火が通ったところにタレを回しかけて、おろししょうがを入れてできあがり。材料はこの三つだけ。生姜焼きは合わせ調味料を使うと思うが、その必要がなく、このタレだけでできてしまうので、忙しい家庭で帰ってきてすぐご飯を作りたいときには本当におすすめ」
調理を始めてから、およそ2分。「神のタレ」を使った生姜焼きの出来上がりです。豚肉の脂に甘辛い「神のタレ」が絡みご飯にぴったりです。
<かん吉清水店 吉田喜久子店長>
「このタレは私の中で『守護神』みたいな感じ、これが冷蔵庫に入っていれば、とりあえずなにかはできるという安心感があるので、そこから神のタレという名前を付けた。共働きの方や仕事をしながら食事の準備をしている方の助けになっていければいいなと思っている」
うなぎのうま味と吉田さんの思いがぎゅっと詰まった、しずおか産です。
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