「アイガモ農法」を通じて消費者と交流している広島・庄原市の農園で、先日、田植え交流会が開かれました。農園の前社長が、この農法を導入して30年…。農業界のある賞が贈られました。取り組みから見えたのは、中山間地が生き残る知恵でした。

庄原市 東城町 粟田地区にある藤本農園です。コロナ禍の影響で3年ぶりに開かれた田植え交流会には、消費者らおよそ150人が参加しました。
農園の前社長・藤本勲さん(74)です。

藤本農園 前社長 藤本勲さん
「うれしいです。胸がジーンと来る。涙が出て、いけん」
藤本さんは、3月、農園の取り組みが評価され、代々、皇族が総裁を務める大日本農会の緑白綬有功章を受章しました。

開会式での受章報告です。
藤本勲さん
「農業は楽しいものだ。いいものだ。本当に明るく楽しい農業がしたい、農村が作りたいという気持ちで、きょうまで元気を出してきました」

藤本さんにとって、「楽しい農業」のシンボルがアイガモです。参加者は、苗を植えた田んぼにアイガモのヒナを放します。

田んぼの草とりに農薬を使わないで、アイガモに食べてもらうこの農法…。藤本さんは30年前に導入しました。

幼稚園のときから田植え交流会に参加
「楽しいです。ふだん泥に入ることがなので」
「(コメが)おいしいです」

参加者
「体にやさしいものが食べたいと思って、(このコメに)行き着いた」

看板商品の無農薬米は、決して安くありませんが、根強い人気です。