中国の4月から6月のGDP=国内総生産の成長率が、前の期の1月から3月と比べプラス0.8%にとどまりました。急減速が鮮明となった中国の経済。現場で何が起きているのか取材しました。
中国初の国産乗用車を生んだ街として知られる長春。日系メーカーも多く進出しています。
RTC 清水利浩 社長
「こちらはフロントボンネットヒンジ」
清水利浩さんの工場では、自動車のドアと車体を連結するヒンジと呼ばれる部品を生産しています。かつては日系メーカー向けの部品生産がメインでしたが、近年は。
RTC 清水利浩 社長
「全部中国メーカーの」
中国の自動車市場では、国内メーカーの成長とともに日系メーカーのシェアが下がっているため、中国メーカー向けのヒンジ生産に重点を置いて、業績アップを狙っているといいます。そんな清水さんたちにとって、この上半期、予想外のことが起きました。
RTC 清水利浩 社長
「今年になってコロナもあけて、行き来も自由になってというところで、もっと自動車業界、弊社もそうですけど、もっとこう活気出るかなと思ったのですが、前半、6月末締めた時点では、まだ去年の方が生産台数が多いのですよ」
背景にはいったい何があるのか。景気の現状について北京で話を聞くと。
北京市民
「以前ほど経済的に裕福ではないです。(コロナ前と比べ)収入はかなり減りました」
「以前は値段を気にせず好きに食べて飲み、遊んでいました。でも今は以前ほど収入は良くないから、消費は少し控えています」
節約志向が強まっていることがうかがえます。また、北京市郊外では。
記者
「北京の郊外です。この場所には日雇いの仕事を求めて、多くの人が集まってきています」
中国北部最大ともいわれる日雇い労働者の街では、仕事にありつけない人たちが増えていました。
日雇い労働者
「(仕事は見つかっていますか?)だめです」
「だめだよ。何日も仕事が見つかっていない」
今日発表された6月の都市部の若者の失業率も21.3%と、雇用状況が悪化しています。また、同じく今日発表された4月から6月までのGDPは、新型コロナの影響を受けた去年の同じ時期に比べプラス6.3%。しかし、前期と比べるとプラス0.8%にとどまり、勢いが急速に減速したことが分かります。
今後の見通しを専門家に聞いてみると。
丸紅中国 鈴木貴元 経済研究チーム長
「特に所得環境については中低所得者層を中心に伸び悩みがみられますし、企業においても減益基調ということなので、消費も投資もなかなか持ち上がらないですし、(下半期に)加速していくという状況ではない」
日本にも影響する中国経済、回復にはまだ時間がかかりそうです。
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