ソフトボールの日本リーグ加盟を目指して活動する高知県内唯一の女子社会人チームがあります。競技人口が減る中でも「自分たちの頑張りで多くの人に魅力を知ってほしい」と奮闘する選手たちの思いを取材しました。
雨の中、スポーツウェアの女子選手が集まってきました。県内唯一の女子のソフトボールチーム「Kochi Tamon Club」のメンバーです。

明るいキャラクターでチームを率いるのは、松浦和志(まつうら・かずし)監督です。

(松浦和志 監督)
「個性のある子が多くて、みんな主張する部分があって、はたから見ると大人しそうに見えるかもしれないですけど、中から見ると、個性がいっぱいで楽しいチームです」
チームは今年で創立47年。これまで何度も全国大会に出場してきました。メンバーは、19歳から38歳までの20人。全員「社会人」で、働きながら競技に取り組んでいます。

チームの主力は、吉松玲美(よしまつ・れみ)選手。普段は介護士として働いています。左の中軸=3番バッターとしてバットでチームに勢いをつけます。

さらに吉松選手はチームのエースピッチャーです。投打でチームを引っ張るまさに“二刀流”の選手です。

そして、もう1人ボールを投げこむのはピッチャーの西村一恵選手です。チーム最年長の38歳。

最速95キロのストレートに加え、浮き上がる「ライズボール」、そして、落ちる「ドロップ」、2つの変化球を投げ分けます。
(西村一恵 選手)
「けっこう(体に)ガタは来てますけど、それなりにはやっています。やっぱり、若い子には負けられないので…」
練習開始から1時間後、1人の選手がやってきました。キャプテンの川上美智(かわかみ・みさと)選手です。

そんなキャプテンの職業は…
(川上美智 主将)
「理学療法士をしています。(Q.この時間まで?)そうです。だいたい、いつもこの時間になります」
仕事をしながら練習に取り組む選手たち。中には四万十市や東洋町から通うメンバーもいて、平日の練習は全員が集まれません。キャプテン・川上選手も、この日はあと40分ほどしか練習できませんが、一本一本のスイングに力を込めます。
(川上美智 主将)
「練習の回数も少ないし、みんな仕事バラバラで、なかなか全員揃った練習はできないんですけど、揃っ日にこそいい練習ができているんじゃないかと思うし、大変な時もありますけど、仕事と練習・ソフト、切り替えて、いい活動になっているんじゃないかと思います」

選手が頑張るのには理由があります。年々減り続けている、県内の女子ソフトボールの競技人口。選手たちは「自分たちの活動でソフトボールの魅力を知ってもらいたい」という思いで、日々、練習に取り組んでいます。

(松浦和志 監督)
「『ジュニアの育成』に力を入れて、ちょっとしたイベントやナイターの練習に子どもに参加してもらったりということで、声をかけて、自分たちのできるところだが、少しずつ人口を増やそうと思って力を入れています」
こうした中、7月15日(土)からの「全日本クラブ女子選手権」でベスト4に入れば、チームは来年から「日本リーグ」に加盟できます。リーグ加盟はチーム悲願の目標です。

(松浦和志 監督)
「私たちは『ベスト4以上』、『日本リーグ参戦』を目標にしていて、2年前にベスト8まではいったことがあるが、もう1つ、今回なんとか超えて、目標達成して…頑張りたいです」
(川上美智 主将)
「絶対勝って『高知県にソフトボールを広める』ことももちろんあるんですが、リーグ加盟に向けても頑張りたいし、四国開催なのでいい結果を残して高知県に帰ってきたいです」