リトアニアで開かれているNATO=北大西洋条約機構の首脳会議が初日の協議を終え、共同声明を発表しました。焦点だったウクライナの加盟については、将来的な加盟を再確認したものの、時期については明確にしませんでした。

共同声明では、NATOがウクライナを長期的に軍事支援するための「複数年の支援計画」の実施や、加盟国とウクライナが対等な立場で話し合う「NATOウクライナ理事会」の設置に合意したことが盛り込まれました。また、冷戦後、初めてとなるロシアとの戦闘を想定した「地域防衛計画」も新たに策定しました。

一方、ウクライナのNATO加盟については、必要な条件が緩和されたものの、加盟の時期については「加盟国が同意し、条件が整えば、加盟招待を行う」とするにとどめました。

NATO ストルテンベルグ事務総長
「これはウクライナにとって強力なパッケージで、NATO加盟に向けた明確な道筋です」

ストルテンベルグ事務総長は「将来的な加盟を再確認した」と強調しましたが、ゼレンスキー大統領はこれに先立ち、加盟や招待の期限が示されないのは「前代未聞でばかげている」とSNSに投稿。12日に出席する予定の「NATOウクライナ理事会」で、改めて加盟の必要性を訴えるとしています。