40年近く介護していた79歳の妻を車いすごと海に突き落とし、殺害した罪に問われている81歳の男が記者の面会に応じました。「誰かに相談していればこうならなかった」「反省しても反省しても反省してもどうしようもない…」その胸中を明かしました。

40年介護“妻殺害” 男が記者に胸中語る

藤原被告(被告人質問)
「照子を海に落とした後、悲しさもあって5分くらい現場を眺めていた」

法廷で犯行後の様子を語った藤原宏被告(82)。去年11月、神奈川県の大磯港で妻の照子さん(79)を車いすに乗せたまま岸壁から海に突き落とし、殺害した罪に問われています。自宅の近所では藤原被告が献身的に照子さんの介護をする様子が目撃されていました。

近所の人
「一生懸命1人で介護をやっていて『お手伝いしようか』と声を掛けた時に、『俺がやっている、俺がやらなくてはいけないんだ』と言っていた」

そんな藤原被告がなぜ妻に手をかけてしまったのか。今月7日、記者の面会に応じた藤原被告は開口一番こう話しました。

藤原被告
「私がやったようなことがたくさん起きたらだめでしょ、私の心が弱かった証拠だよ。自分の家内を殺してしまったんだもん」

照子さんは1982年、37歳の時に脳梗塞を発症し、左半身を思うように動かせなくなり、藤原被告はそれ以来40年近く、ほぼ1人で介護をしていました。

記者
「誰かに相談しなかった?」

藤原被告
「“頑固親父”って言葉知ってる?俺は頑固な性格だから『俺1人で面倒見るんだ』と強い決心をした」

一方、照子さんは去年の年明けから夏ごろにかけ徐々に体調を崩すようになり、去年6月ごろ、自力でベッドと車いすとの行き来ができなくなったといいます。藤原被告は「この時が大きな転機だった」と話しました。